スレート屋根とはいったい何?住宅やビル・工場棟の建物に使用される主な屋根材をその特徴やメンテナンス方法も含めてご紹介をしていきます。
今回はスレート屋根(カラーベスト)です。主に住宅の屋根に広く使用されている屋根材です。
スレート屋根とは?
今から約50年以上前に発売され、セメントと砂に繊維質の素材を配合することで薄型軽量化に成功した屋根材です。
発売当初は新しい屋根材ということで新生瓦と呼ばれていました。カラーベストやコロニアル等はこのスレート瓦の商品名です。
厚さ約5㎜ほどで、サイズは約910㎜×414㎜のものが多く普及しています。
構造用合板の上にルーフィングシートを貼り、その上からこのスレート瓦を重ねて貼っていきます。
それまで主流だった陶器製の日本瓦や洋瓦に比べて、非常に軽量でデザインや色の種類も豊富なので徐々にスレート瓦が普及していき、その耐震性の高さから阪神淡路大震災以降にさらに急速に広まっていきました。
今現在、日本で最も普及率が高いのがこのスレート瓦です。大阪府内でも非常にたくさん使用されています。
スレート瓦は塗装メンテナンスが必要
軽量で耐震性が売りのスレート瓦ですが、防水性能は表面の塗装に依存しており、塗装が劣化してくると水が浸み込みやすくなり、コケの発生や素材の劣化による割れが発生してしまいます。
スレート瓦の工場出荷時の塗装はアクリル塗料で、その表面塗装の耐久年数は新築から約7-10年程度です。最近ではフッソ塗装されている商品もありますが、それでも耐久性は約15年程です。
基本的には10-15年に一度、塗装によるメンテナンスが必要となります。
スレート屋根の塗装の際は高圧洗浄が必ず必要。
タスペーサーやカッターによる縁切り作業も重要。
塗装メンテナンスが出来ない条件も有り
長い間何もしないで放置したスレート屋根は、高圧洗浄や塗装作業の際に大量に破損してしまう事がありますので、塗装によるメンテナンスが不可能となります。
目安としては、25年以上放置した屋根は塗装が出来ない場合があります。
そういった場合は、既存のスレート屋根の上から金属製の屋根材を被せるカバー工法が必要となります。
また、ノンアスベストへと移行してすぐのスレート屋根材の種類のなかには、そもそも塗装出来ない種類の屋根材もありますので注意が必要です。
詳しくは別のコラムでご紹介します。