「外壁塗装を考えているけど赤ちゃんがいるから心配」「においや音で影響が出たらどうしよう…」そんな不安抱えていませんか?
私自身も1歳の息子がいますのでそのお気持ちとってもよくわかります!
外壁塗装は屋外の工事ですが、塗料の匂いが家の中に入ってくることもあれば、騒音で赤ちゃんが起きてしまうことも…。特に赤ちゃんは感覚が敏感で私たち大人よりも環境の変化にストレスを感じやすいのです。
とはいえ、赤ちゃんがいるからといって外壁塗装をあきらめる必要はありません。
工事中の配慮や工夫次第で赤ちゃんの影響を最小限に抑えながら安心して外壁塗装を進めることができます。
こちらの記事では、赤ちゃんがいるご家庭向けに外壁塗装の際に注意すべきポイントや具体的な対策など詳しく解説していきたいと思います。

榎本悟
一級塗装技能士・外装劣化診断士
1998年に「南大阪ペイントセンター」を創業し、住宅塗装の専門家として20年以上の経験を持つ。外壁診断や雨漏り診断の豊富な知識を活かし、耐久性と美観を両立させた高品質な施工を提供。さらに、窯業サイディング塗替診断士や雨漏り診断アドバイザーの資格も取得し、住宅の外装全般に関する幅広いアドバイスを行っている。

橋本卓哉
石綿作業主任者・建築物石綿含有建材調査者
学生時代に塗装業に携わり、大学卒業まで職人として経験を積む。卒業後は外装リフォームの営業・現場管理に従事し、これまでに1,000棟以上の施工を担当。豊富な知識と現場経験を活かして外装診断・施工に取り組んでいる。
1.赤ちゃんがいても外壁塗装はできる!
2.赤ちゃんがいるご家庭で配慮が必要な理由
2-1.塗料のにおいが赤ちゃんに影響を与えるから
2-2.工事中の音が赤ちゃんに影響を与えるから
3.赤ちゃんを守るためにできる外壁塗装中の工夫
3-1.換気・空気洗浄機などを工夫する
3-2.窓や玄関をしっかり閉めて匂いや埃をシャットダウン
3-3.低臭タイプの水性塗料やホルムアルデヒド対策済の塗料を選ぶ
3-4.敏感な時間帯(昼寝や授乳)に工事音が重ならないように調整する
3-5.ベビーモニターやホワイトノイズで赤ちゃんのストレス軽減
3-6.一時的に実家やホテルに避難する
4.赤ちゃんがいる家庭に合った業者の選び方
4-1.赤ちゃんに影響のない塗料の提案をしてくれる業者
4-2.工事中の配慮について具体的に説明してくれる業者
5.まとめ
赤ちゃんがいても外壁塗装はできる!
「赤ちゃんがいるから外壁塗装は無理かも…」と不安に思う方も多いですが、実は赤ちゃんがいても外壁塗装は十分に可能です。
もちろん、赤ちゃんは匂いや音に敏感で体も未熟なため配慮や対策は必要です。しかし現在では、安全性の高い塗料の普及や、業者側の柔軟な対応が進んでおり、赤ちゃんが育てながら工事を進めるご家庭も多くあります。
こちらのお宅は実際に弊社にて外壁塗装をさせていただいたお宅です。可愛らしい赤ちゃんがいらっしゃいましたが無事に塗装工事を完了することができました!
2.赤ちゃんがいるご家庭で配慮が必要な理由
外壁塗装は赤ちゃんがいても可能ですが、配慮が必要です。
赤ちゃんがいるご家庭で配慮が必要な理由を「匂い」と「音」の2つの視点からお話していきたいと思います。
2-1.塗料のにおいが赤ちゃんに影響を与えるから
外壁塗装で使用される塗料には、油性塗料と水性塗料の2種類があります。このうち油性塗料にはシンナー(有機溶剤)が含まれており、匂いと共にVOC(揮発性有機化合物)という化学物質が含まれています。
大人でもシンナー臭で気分が悪くなることがあるように、赤ちゃんにとっては匂いだけでなく体への負担も無視できません。
■VOCがもたらす影響
・吐き気や不機嫌になる
・鼻水咳くしゃみなど軽いアレルギー症状
・授乳や睡眠が不安定になる
ですが、現在の外壁塗装では水性塗料が主流になってきており、シンナーのような強い匂いがでる油性塗料は昔ほど多く使われていません。
弊社でも実際に赤ちゃんに健康被害が起きたという事例も今までありません。
ただし、「水性=まったくにおいが0」というわけではなく、塗装中は少なからず匂いが発生します。
におい対策としては、できるだけ「低臭タイプの水性塗料」を選ぶことや、赤ちゃんがいることを事前に業者に伝えることが大切です。
2-2.工事中の音が赤ちゃんに影響を与えるから
もうひとつの大きな心配は「工事中の音」です。
外壁塗装では以下の工程で騒音が発生します。
・足場の組立と解体時のカンカンとなる金属音
・高圧洗浄のモーター音
・塗装中の道具やスプレーガンの作動音
・職人の声や車両の出入り
音はにおいと違って音自体が健康被害をもたらす事はありませんが、赤ちゃんにとってはこれらの音がびっくりするほど大きくお昼寝に影響を与えることがあります。
■よくある影響
・お昼寝の途中で起きてしまいぐずる
・睡眠不足で機嫌が悪い
・環境変化によって泣きやすくなる
「やっと寝てくれた!休憩できる!」といった時に起きてしまう辛い気持ちとってもわかります…。
3.赤ちゃんを守るためにできる外壁塗装中の工夫
赤ちゃんがいるご家庭で外壁塗装を行うなら、事前の準備やちょっとした工夫次第で赤ちゃんのストレスや体の負担を大きく減らすことができます。(もちろんパパママのストレスも!)
ここではご家庭でできる具体的な対策を5つご紹介していきたいと思います。
3-1.換気・空気洗浄機などを工夫する
塗装中はにおいや細かな粉塵が室内に入り込むことがあります。そのため空気環境を清潔に保つことが第一の対策です。
・窓を開ける換気は塗装直後などを避けて短時間ずつ行う
・空気洗浄機(HEPAフィルター付きなど)を活用して室内の空気を循環、浄化する
・加湿器を併用すると細かな埃が舞いにくくなる
特に寝室や赤ちゃんが長く過ごす部屋には空気洗浄機を稼働させることで、においや刺激物を軽減することができます。
3-2.窓や玄関をしっかり閉めて匂いや埃をシャットダウン
塗装中は家の周囲を足場で囲み養生されるため基本的に窓を開けることができません。ですが、網戸越しの隙間やドアの開け閉め時には外の空気が入ってきます。
そのため
・窓や玄関はしっかり閉めておく
・隙間テープや目張りで気密性を高める
・換気扇は停止するか室内のみに巡回
などの対策でにおいや塗料成分が室内に入るのを防ぎましょう。
3-3.低臭タイプの水性塗料やホルムアルデヒド対策済の塗料を選ぶ
塗料のにおいが赤ちゃんに与える影響をできるだけ抑えるためには、使用する塗料そのものを見直すことも重要な工夫の1つです。
現在主流の水性塗料は、油性塗料に比べてにおいは少ないですが、さらに赤ちゃんへの刺激を減らすには以下のような塗料を選ぶのがおすすめです。
■低臭タイプの水性塗料
・塗装中のツンとしたにおいが少なく室内に匂いが入り込みにくい
・赤ちゃんやペットがいる家庭向けに設計された商品
例:エスケー化研「クリーンマイルドシリーズ」、日本ペイント「水性シリコンセラUV」、関西ペイント「アレスアクアグロス」
■ホルムアルデヒド対策済の塗料(F☆☆☆☆)
・シックハウス症候群の原因となるホルムアルデヒドの放出量が最も少ない等級の塗料
・病院、保育園幼稚園、学校などでも採用される安全性の高い塗料
例:日本ペイント「オーデフレッシュSi100III」、関西ペイント「アレスアクアグロス」、日本特殊塗料「シルビアWA-100」
これらの塗料は、業者に「赤ちゃんがいるので低臭タイプ・安全性の高い塗料を希望します」と伝えることで選んでもらえるケースが多いです。
見積もり段階で「使用する塗料」と「安全性能」などを確認しておくと安心です。
また、塗料メーカーの製品カタログや安全データシート(SDS)を見せてもらうのもおすすめですよ!
3-4.敏感な時間帯(昼寝や授乳)に工事音が重ならないように調整する
赤ちゃんの生活リズムを守るには「昼寝や授乳の時間」に工事の大きな音が重ならないように配慮することが効果的です。
特に騒音がすると授乳の集中力が落ちる赤ちゃんや些細な音でも起きてしまう赤ちゃんは事前の対策が必要です。
・工事前に職人と話し赤ちゃんが寝ている時間帯は大きな音を控えてもらえないか相談する
・足場工事や高圧洗浄など音が大きくなる工程は赤ちゃんが外出している時間に調整してもらう
誠実な業者であれば赤ちゃんがいることを伝えるだけでも「音への配慮」をしてくれることが多いです。
3-5.ベビーモニターやホワイトノイズで赤ちゃんのストレス軽減
日中の騒音が避けられない時は音を調整してあげることも有効です。
・ベビーモニターを使って工事から一番遠い部屋に移動させ赤ちゃんの様子を見守る
・ホワイトノイズで外音を和らげる
特にホワイトノイズは胎内音に近いとされ赤ちゃんに安心感を与えやすいといわれています。
実際、私自身も息子が生後3か月の頃に、近隣で新築工事があった際、騒音で何度も起きてしまうことがありとても困りました。そんな時にホワイトノイズを取り入れてみたところ、ぐっすり眠れるようになり本当に助けられた経験があります。
外壁塗装中も赤ちゃんの睡眠環境を守るためのアイテムとしてぜひ活用してみてください。無料アプリやyoutubeにもありますよ!
3-6.一時的に実家やホテルに避難する
どうしても工事が長引いたり、においや音が気になる場合は、一時的に赤ちゃんを別の場所に避難させるのも選択肢のひとつです。
・数日間だけ実家に帰省する
・ホテルや短期賃貸を利用する
・実家や義実家に日中だけ預かってもらう
・一時預かりを活用する
特に足場の設置日や高圧洗浄、塗装の初日などは音やにおいが強くなりがちなので避難が有効です。
短時間でも赤ちゃんのストレス軽減・家族の安心感につながるので無理のない範囲で検討してみても良いかもしれません。
4.赤ちゃんがいる家庭に合った業者の選び方
外壁塗装工事は、業者の技術力や対応によって快適さや安心感は大きく変わります。
特に赤ちゃんがいるご家庭では「匂い」「音」に対する配慮がとても重要であるため、赤ちゃんがいることを理解してくれる業者を選ぶことがとても大切です。
ここでは赤ちゃんがいる家庭にとって安心して任せられる業者を選ぶためのポイントを2つにわけてお話していきたいと思います。
4-1.赤ちゃんに影響のない塗料の提案をしてくれる業者
信頼できる業者は家族構成や生活スタイルに合わせた塗料選びを提案してくれます。
具体的には
・水性塗料の中でも「超低臭タイプ」「ホルムアルデヒド対策済み」のものを選んでくれる
・シックハウスや化学物質過敏症への配慮がある塗料を提案してくれる
・ペットや赤ちゃんがいる家庭向けに塗料メーカーの安全データを示してくれる
など
「赤ちゃんがいるのでできるだけにおいの少ない塗料にしたい」などと伝えた時に、適格な塗料の種類やメリットデメリットを丁寧に説明してくれるかどうかが業者選びの判断基準になります。
もし「その辺は気にしなくても大丈夫ですよ」など軽く流すような業者であれば他社との比較も検討してみても良いでしょう。
4-2.工事中の配慮について具体的に説明してくれる業者
赤ちゃんへの影響を最小限にするには工事中の配慮がとても大切です。
たとえば
「赤ちゃんのお昼寝中は静かにするように心がけます」
「塗装中の室内へのにおい漏れが気になる場合は〇日だけ外出がおすすめです」
「足場組立や解体など音が大きくなる工程の前日にも一度ご連絡します。タイミングが合えば外出を調整できますよ」
など、こちらが言わなくても気付いて配慮してくれる姿勢のある業者は非常に信頼できます。
事前に「赤ちゃんがいます」と伝えたときの対応で真摯に受け止めてくれるか、工程の工夫や代替案を提案してくれるかが選ぶ上で大きなポイントです。
また、近隣への挨拶や騒音対策も丁寧な業者なら、赤ちゃんだけでなくご近所とのトラブル予防にも繋がります。
5.まとめ
赤ちゃんがいるご家庭でも外壁塗装は可能です。ただし赤ちゃんはにおいや音に敏感でストレスを感じやすい時期でもあるため事前の配慮と対策がとても重要になります。
■赤ちゃんを守るためにできる対策
・室内は換気、空気洗浄機で空気対策
・低臭、F☆☆☆☆の水性塗料を選ぶ
・ホワイトノイズなどで快適な環境をつくる
・気になる日は一時的な外出や実家やホテルへの避難も
塗装の品質だけでなく、家族みんなが安心して過ごせるような環境づくりにも気を配って納得のいく外壁塗装を進めてくださいね!