塗装に不向きな屋根材第3弾の今回は、積水化学工業のセキスイかわらUです。
セキスイのかわらUとは?
塗装出来ない屋根材・瓦の種類パート③の今回はセキスイのかわらUです。
かわらUシリーズはスレート屋根の様な平たい形ではなく陶器瓦のような形で、発売開始は約40年以上前と長年にわたり使用されており、元は信頼性の高い屋根材でした。
また、新築だけでなくカバー工法にも対応可能、そしてセキスイが製造販売しているというブランド力もあり、非常にたくさんの現場で使用されてきました。
かわらUの問題点
そんな信頼性の高い屋根材になぜ問題が起きたかというと、こちらもやはりアスベスト問題が大きく関係しています。
1990年8月より前に製造された物はアスベストが含まれており、耐久性に問題はありませんでしたが、1990年8月以降に製造販売されたかわらUにはアスベストが含まれておらず、耐久性に問題が発生してしまいました。
1990年8月以降に製造されたかわらUは、以前のような信頼性の高い屋根材ではなくなり、早ければ5年も経たないうちに表面の剥離や割れといいった症状が現れるようになりました。
新築、もしくは葺き替えで施工されてから10年以上経過したかわらUは点検の際には上を歩くことが出来ないほど脆く、まともに調査が出来ない場合もあります。
そのため、2007年には販売が中止となりセキスイは瓦事業からも撤退しています。
また、形状が凸凹なのでカバー工法は不可でメンテナンス方法は葺き替えのみとなります。
塗装できる場合もあるがレアケース
南大阪ペイントセンターでは過去に何度か、かわらUに塗装を行ったことがあります。
こちらの屋根のように、1990年8月以前に製造されたかわらUで剥離や割れがほとんど発生しておらず、上を歩いても割れない状態ならば塗装は可能です。
・1990年8月以前のかわらU(アスベスト含有)
・10年ごとに塗装していた
・剥離や割れがほぼ発生していない
という状態だったため、塗装出来ると判断しました。
新築の瓦の様にキレイに仕上がりました。
ただし、先ほどのような条件を満たしている屋根は現在ではほとんどありませんので、メンテナンス方法は基本的には葺き替えとなります。