外壁塗装や屋根塗装をするときになくてはならない物、それが「足場」です。
特に3階建てのお住まいの場合、建物の高さがあるので2階建てよりも費用が少しだけ高くなります。
「3階建てだと追加費用はかかるの?」「足場の費用ってどうやって計算するの?」と疑問に思われる方も多いのではないでしょうか?
こちらの記事では3階建てのお住まいにかかる足場費用の相場や内訳、その他よくある質問などについて詳しく解説していきたいと思います。
ぜひ参考にご覧ください!

榎本悟
一級塗装技能士・外装劣化診断士
1998年に「南大阪ペイントセンター」を創業し、住宅塗装の専門家として20年以上の経験を持つ。外壁診断や雨漏り診断の豊富な知識を活かし、耐久性と美観を両立させた高品質な施工を提供。さらに、窯業サイディング塗替診断士や雨漏り診断アドバイザーの資格も取得し、住宅の外装全般に関する幅広いアドバイスを行っている。

橋本卓哉
石綿作業主任者・建築物石綿含有建材調査者
学生時代に塗装業に携わり、大学卒業まで職人として経験を積む。卒業後は外装リフォームの営業・現場管理に従事し、これまでに1,000棟以上の施工を担当。豊富な知識と現場経験を活かして外装診断・施工に取り組んでいる。
1.3階建ての足場費用相場の一覧
まずは、3階建ての坪別足場費用を知りたい方にむけて一覧表をまとめました。
【計算条件として以下を想定】
・家の高さは一般的な3階建ての9m
・足場単価750円/㎡
・飛散防止シート単価100円/㎡
・家の形は正方形のシンプルな形状を想定
坪数 | 外周(m) | 足場面積(㎡) | 3階建て足場相場費用(円) |
20坪 | 18.8 | 212.1 | 180,246 |
25坪 | 21.0 | 232.0 | 197,187 |
30坪 | 23.0 | 250.0 | 212,503 |
35坪 | 24.8 | 266.6 | 226,588 |
40坪 | 26.5 | 282.0 | 239,429 |
50坪 | 29.8 | 305.2 | 259,429 |
60坪 | 32.7 | 326.1 | 277,193 |
■ポイント
・同じ3階建てでも坪数が増えると外周も大きくなり足場費用は比例して高くなります。
・坪数が大きい家ほど足場費用だけで30万円近くになるケースも珍しくありません。
・実際にはバルコニーや屋根などの形状によっても面積は変動します。
上記の足場の費用は「足場の面積×単価」で算出されます。
まずは足場仮設面積を計算します。足場仮設面積は塗装面積と異なり外壁から少し間隔をあけて足場を設置するため建物の外周にプラス4.8mして計算していきます。
足場仮設面積=(建物の外周+4.8m)×家の高さ
この足場仮設面積をもとに足場費用を計算していきます。この時の家の高さは1階建て=4m、2階建て=7m、3階建て=9mが平均的な高さです。
足場費用=足場仮設面積×(※足場設置費/㎡+※飛散防止ネット費/㎡)
足場設置費…750円~/㎡, 飛散防止ネット費…100~円/㎡
※南大阪ペイントセンターの場合の単価で計算
これを基に計算してみると…
■3階建ての外周20mのお住まいの場合
(外周20m+4.8m) × 家の高さ9m =223
223×(750円/㎡+100円/㎡)=189,550円
足場費用は18万9500円です。
■足場費用の内訳
・足場剤の運搬費
・組立、解体費
・メッシュシート(飛散防止シート)費
・高所作業の安全管理費
などが足場費用に含まれます。
特に3階建ての場合は高所作業リスクが大きい為、2階建てよりも安全対策費が上乗せされる場合があります。
一般的に3階建ての足場費用は750円/㎡~が相場です。この費用は2階建ても1階建ても同じです。2階建てや1階建てとの差額は建物の高さによって変わります。
また、同じ3階建てでも延床面積や外周の大きさによっても変わるため、同じ3階建てでも差がでます。
2.足場費用が高くなるケース
3階建ての足場費用は「足場仮設面積×単価」で計算できますが、建物や敷地の条件によっては同じ坪数でも費用が高くなることがあります。
ここでは代表的な3つのケースを紹介します。
2-1.建物が複雑な形状である場合
外壁に凹凸があったりバルコニーや下屋根が複数あるお宅では、足場を設置する面が増え組立作業も複雑になります。
例えば同じ40坪でも…
・シンプルな四角い家→外周25m前後
・バルコニーや出窓が多い家→外周30m前後
外周が増えると足場仮設面積もその分増加し費用が数万円単位で高くなることがあります。
2-2.隣家や道路との境界が狭い場合
大阪市など都市部の3階建て住宅では「隣家との距離が1m未満」ということも珍しくありません。
このような場合は
・資材を運び入れるスペースが狭くなる
・細い足場剤や特殊な組み方が必要になる
・場合によってはクレーンを使用する
などといった追加作業が発生し5万円前後の追加費用がかかることがあります。
参考記事:隣の家との距離が近いけど外壁工事は基本的に可能!(幅40未満は難しい)
2-3.傾斜のきつい敷地である場合
傾斜や高低差のある敷地に建つお宅では足場を水平に安定させるために「補強足場」が必要になります。
例:外周30m3階建てのお住まいの場合
・通常の足場費用約26万円
・傾斜地で補強が必要な場合約30万円
このように補強費が数万円上乗せされることがあります。
2-4.高さによる安全対策費の追加
3階建ては2階建てよりも高所作業のリスクが高いため、安全ネットや手摺を追加することがあります。
特に隣家や道路に面している場合は飛散防止ネットの二重張りを求められることもあるため費用が増える要因になります。
3.3階建ての足場費用についてよくある質問
Q1.足場費用を安くする方法はありますか?
・相見積もりを取る
業者によって単価が異なるため複数比較が効果的です。
・外壁と屋根を同時施工
足場の設置を1回にまとめられます
・補助金や火災保険を活用
条件次第で自己負担額を減らすことができます
Q2.足場の設置期間はどのくらいですか
一般的な3階住宅では設置に1日、解体で1日が目安です。
工事全体で足場を使う期間は10日~2週間前後です。お住まいの大きさや工事内容によって変動します。
Q3.3階建てだと足場の設置日数は長くなりますか?
高さがある分2階建てより少し時間がかかる場合がありますが半日~1日程度で設置は可能です。
Q4.3階建てだと足場の設置にクレーンは必要ですか?
基本的には不要ですが、敷地が狭く資材搬入が難しい場合にはクレーンを使用することがあります。
クレーン使用は別途数万円の追加費用が発生する可能性があります。
Q5.3階建てに使われる足場はどんな足場が多い?
現在は「くさび式足場(ビケ足場)」が主流です。これは2階建ても同じです。
高さや周囲の条件によって補助的に単管足場やハイグレード仕様の足場が使われることもありますが、基本的には安全性が高く、組立・解体がしやすいため安全面でもコスト面でも優れたくさび式足場を使用します。
Q6.高さがある分安全対策費用は追加されますか?
3階建てでは墜落リスクが高いため、安全対策費用が追加される業者もあります。
4.まとめ
3階建ての足場費用は家の外周・高さ・足場単価によって決まります。
坪数や階数だけでなく、建物の形状や立地条件も費用に影響するため、事前に性格な計算と見積もりが必要になります。
■足場費用の基本計算
・足場面積=(建物の外周+4.8)×家の高さ
・足場費用=足場仮設面積×(足場設置費+飛散防止ネット費)
・南大阪ペイントセンターの目安=足場設置費750円/㎡~、ネット費100円/㎡~
事前にこの計算式を目安にし、複数業者から見積もりをとることで適正な費用で安全な施工を行うことができますよ!
なにかご不安やご質問などありましたらお気軽に南大阪ペイントセンターまでご相談くださいね!