「破風って何?どんな役割があるの?」
「破風の痛みを放置していると、何かデメリットはあるの?」
といった疑問はありませんか。
「風を破る」と書いて、破風(はふ)と読みます。
外壁や屋根のメンテナンスにはこの破風の存在も重要なポイントです。
はじめて聞かれる”破風(はふ)”という言葉に、色々な疑問が出てこられると思います。
そんな皆さまの疑問やご不安を解消できるよう、このページでは以下の内容をご紹介します。
・破風の役割
・破風の劣化によるデメリット
・破風のメンテナンス方法と実例
ご自宅の破風にとって最適な補修方法を知り、しっかりと補修時期かどうかも見極めましょう!
1.破風(はふ)とは?
破風(はふ)の位置や他の部位との比較などを解説します。
1-1.破風の場所
破風とは簡単に説明すると、切妻屋根(本を開いて逆さまにしたようなシンプルな屋根)の逆Vの形になっている端の部分です。
屋根の「∧」の箇所が破風です。
基本的に屋根の廻りには雨樋がありますが、雨樋が付いていない屋根端の部位が破風の位置です。
破風に取り付けられている板の部分を「破風板」と言います。
より詳しく破風の位置を解説します。
破風は厳密には屋根の一部ではなありません。
屋根は基本的にケラバ・棟板金・屋根材(スレート)などから構成されています。
破風はケラバのすぐ下の位置にあります。
1-2.破風と鼻隠しの違い
破風によく似た位置にあるのが鼻隠し(はなかくし)と呼ばれる部位です。
以下に破風と鼻隠しの違いをまとめてみました。
名称 | 形状 | 特徴 |
破風 | 逆V字型 | 雨樋がない |
鼻隠し | 横板状 | 雨樋がある |
屋根の先端部分といった共通点は破風と同じですが、大きな違いは雨樋があるかどうかです。
鼻隠しは風から建物を守る効果や美観向上だけでなく、雨樋のを取り付ける下地材の役割もあります。
1-3.破風がない住宅もある
最近では、破風のないスタイリッシュなデザインの住宅が増えています。
破風がないことでおしゃれな外観になるだけでなく、破風自体のメンテナンス費用を抑えられるといったメリットもあります。
一方でこれからお伝えする破風本来の役割が失われるため、建物の保護機能が低下し、雨漏りのリスクが高まるなどのデメリットもあり、一長一短と言えるでしょう。
2.破風の3つの役割
破風は美観だけが目的ではなく、建物の安全性を維持する上で大切な役割があります!
その役割とは以下の3つです。
・風から屋根を守る
・雨漏りを防ぐ
・火災の延焼を防ぐ
2-1.風から屋根を守る
破風は「風を破る」という文字どおり、風が家に悪い影響を与えないようにする目的があります。
基本的な屋根のお話になりますが、屋根は風に強いです。
しかしそれは上からの風庄、つまり吹き下ろしてくる風に限ります。
逆に、下から吹き上げる風には構造上どうしても弱くなってしまうのです。
屋根は吹き下ろしの風なら、その圧を柱や間柱で支えることはできます。
しかし、吹き上げの風だと屋根と柱を繋ぐ固定力のみが頼りなので、どうしても吹き上げの風に対しては弱くなるのです。
破風板を屋根の先端に取り付けることで、吹き上げの風を分散させることができます。
破風の存在は家の防風に欠かせないのです。
2-2.雨漏りを防ぐ
破風は雨水の侵入を防いでくれる、防水性の面でも欠かせない存在です。
と言うのも、暴風雨などの横殴りの雨の場合、屋根と外壁の結合部に雨水が入り込み雨漏りの原因となるリスクがあります。
そんな困った事態から守ってくれる存在が破風です。
横に入る雨も、この破風が盾のようになってくれるので、雨水の侵入を食い止めてくれるのです。
2-3.火災の延焼を防ぐ
火災などの最悪のケースも想定されて、破風は取り付けられています。
屋根裏は防火材が使われていないことが多く、一度火が回ると一気に延焼しやすいです。
破風板があることで火の粉の舞い込みを抑え、屋根裏への延焼を最小限に食い止めてくれるのです。
3.破風の劣化放置によるデメリット
破風の劣化放置はなんのメリットもありません。
破風の劣化放置は良いことなし、補修費用も嵩むのでコストパフォーマンスの面でも良くありません。
「遠目で見るからハッキリわからないけど、何だか表面が捲れているかも…?」
家を見上げてみて、そんな印象を持たれた方は注意が必要かもしれません。
破風の劣化をそのままにしておくと起きるデメリットについて、詳しく解説します。
3-1.雨漏りのリスクが高くなる
破風の役割の1つは、「雨の侵入を防ぐ」ことです。
しかし、破風が劣化して防水性がなくなっていると、残念ながら満足に雨水を防ぐことが難しくなるでしょう。
つまり、屋根裏への雨漏りのリスクが高くなります。
屋根裏に雨漏りが発生すると、木材が腐食してしまうといった事態も想定されます。
3-2.破風板の落下の危険性
劣化が激しい破風板を放置すると、台風などの強風をきっかけに落下してしまうケースもあります。
特に破風板の材質が木材の場合、腐食により落下しやすい傾向があります。
3-3.補修費用が嵩む
「破風板が傷む」ということは家の中に雨水が侵入しやすくなるので、屋根や外壁の腐食のリスクが高まります。
木材の腐食が進むと内部の木材の取り替え工事も必要なので、結果として補修費用が嵩みます。
本来なら破風板の補修費用だけですんだはずが、劣化を放置することによって思いもよらない出費になる場合もあるのです。
4.破風のメンテナンス事例
破風は劣化さえ放置しなければ、先ほど紹介したデメリットを防ぐことができるでしょう。
では実際にどのようなメンテナンス方法があるのかについて、実例も含めて紹介します。
4-1.破風板の塗装
破風板の塗膜の剝がれがあまり目立たない場合、破風板を保護するため塗装をします。
破風板のメンテナンス方法として最も多いのが、塗装工事です。
新築時から約10年ほどが塗装目安です。
塗装により、美観UPだけでなく破風板そのものの防水性も良くなります。
関連ページ:破風板の塗装の事例
剝がれがある場合は、事前に補修工事をしてから塗装します。
このまま塗装をしても、傷んだ塗膜から捲れて早期剥がれの原因にもなります。
傷んだ塗膜を取り除き、補修をして古い塗膜との段差をなくします。
研磨して表面に細かい傷をつけ、塗料の塗り重ねていきます。
関連ページ:破風板の補修と塗装の事例
4-2.破風板の金属板金巻き
破風板の塗膜の剥がれが目立つ場合、再塗装をしても塗膜が捲れてくる可能性が高いです。
そこで、ガルバリウム鋼板という金属製の板で既存の破風板を覆います。
元々の破風板が木材の場合はガルバリウム鋼板を巻くことで、防水性に加え防火性も良くなります。
関連ページ:破風板金属板金巻きの事例
4-3.破風の部分交換or全交換
破風板自体の腐食が損傷が見られる場合、破風板の交換を行います。
交換する破風板の材質は窯業系ボードが一般的です。
関連ページ:破風板の交換の事例
5.破風のメンテナンスなら南大阪ペイントセンターにおまかせください
破風のメンテナンスや補修なら、南大阪ペイントセンターにおまかせください!
破風の補修方法にはさまざまな選択肢があり、剥がれがひどい場合はパテで埋めるなどの下地処理を施したうえで塗装を行います。
下地処理をせずに塗装すると早期の剥がれにつながるため、南大阪ペイントセンターでは 10年先を見越した、長持ちするメンテナンスを大切にしています。
劣化の状態によっては塗装では十分な耐久性が確保できないと判断した場合、板金巻きや破風板の交換など、より適した修繕方法をご提案いたします。
これまで、さまざまな劣化症状の破風を診断・補修してまいりました。
お住まいに最適なメンテナンス方法をご提案いたしますので、ぜひ南大阪ペイントセンター にご相談ください!
6.まとめ
- 破風は切妻屋根の端、逆V型になっている箇所のこと
- 役割は屋根が苦手とする横と下からの雨風を防ぎ、延焼からも守る盾のような存在
- 破風の劣化放置は雨漏りや破風板の落下、結果として補修費用が嵩みメリットなし
- 基本的な破風の補修方法は塗装による保護をして、防水性を高める
- 破風の塗膜剥がれが目立つと、塗装をしても剝がれてくるので板金を巻いて補修
- 破風自体の破損や腐食がある場合は、破風板の交換を実施
南大阪ペイントセンターは外壁塗装・屋根塗装以外にも、破風の補修や交換も承っております。
破風だけでなく、お住まいに関することで疑問や分からないことがあれば、ご連絡をおまちしています。
何でもお気軽ご相談をいただけますと幸いです!