タマホームで建てたお住まいはデザイン性が高く魅力的なお宅が多いですよね!しかしこれからも長く快適に住み続けるには外壁塗装によるメンテナンスは欠かせません。
外壁は常に紫外線や雨風に晒されており、年月が経つと少しずつ劣化していきます。
その劣化は見た目だけでなく家の防水性や耐久性にも影響を及ぼすため早めのメンテナンスが必要です。
特にタマホームは標準で採用されている窯業系サイディングや塗り壁(モルタル)、オプション外壁であるシーリングレスサイディングなど外壁材の種類によって劣化の仕方や塗装のタイミングが異なります。
この記事では、タマホームの外壁塗装を検討している方に向けて、外壁の特徴や塗装が必要になる時期・よくある症状、業者ごとのメリットデメリットなど「タマホームに特化した外壁塗装」について解説しています。
タマホームの外壁塗装を検討されている方はぜひご覧ください!

榎本悟
一級塗装技能士・外装劣化診断士
1998年に「南大阪ペイントセンター」を創業し、住宅塗装の専門家として20年以上の経験を持つ。外壁診断や雨漏り診断の豊富な知識を活かし、耐久性と美観を両立させた高品質な施工を提供。さらに、窯業サイディング塗替診断士や雨漏り診断アドバイザーの資格も取得し、住宅の外装全般に関する幅広いアドバイスを行っている。

橋本卓哉
石綿作業主任者・建築物石綿含有建材調査者
学生時代に塗装業に携わり、大学卒業まで職人として経験を積む。卒業後は外装リフォームの営業・現場管理に従事し、これまでに1,000棟以上の施工を担当。豊富な知識と現場経験を活かして外装診断・施工に取り組んでいる。
1.タマホームの外壁塗装をするときに知っておきたいポイント
タマホームのお住まいはコスパの高さとシンプルなデザインが魅力です。しかし外壁は住宅の耐久性や美観に直結する重要な部分です。
外壁材ごとの特徴や塗装のポイントを理解し適切なメンテナンスを行うことが長持ちの秘訣となります。
詳しくお話していきたいと思います!
1-1.タマホームの外壁材に合った塗料を選ぶ
タマホームでは主に以下の外壁材が使われています。
・窯業系サイディング(標準)
・塗り壁(モルタル)(標準)
・シーリングレスサイディング(オプション)
■窯業系サイディング(標準)
窯業系サイディングはセメントと繊維素材を主成分としたパネル状の外壁材でタマホームで最も多く採用されています。
表面は塗装やプリント加工で美観を保っていますが、紫外線や雨風によって徐々にチョーキング(粉が発生)、反り、ひび割れなどが生じます。
また、パネルとパネルの間の目地にはシーリング材が使われており、年月の経過と共に硬くなったりひび割れが発生してしまいます。これらは雨水侵入リスクがあります。
✓塗料選びのポイント
耐候性・防水性の高いシリコン塗料やラジカル塗料、フッ素塗料などが推奨されます。色や艶を工夫することで美観性も高まりお住まい全体の印象も一新できます。
■塗り壁(モルタル)(標準)
塗り壁(モルタル)は通気工法と組み合わせて耐久性を高めた外壁材です。湿気の調整に優れていますが、ひび割れが起こりやすいため塗膜による保護が必須です。
✓塗料選びのポイント
モルタルは動きが出やすく、微細な動きに追従できる弾性塗料が適しています。弾性塗料によりひび割れをカバーし、水の侵入を防ぎます。さらには、親水性や防汚機能付きの塗料を使うことで雨水で汚れを長し美観を保つことができますよ!
■シーリングレスサイディング(オプション)
選ぶ商品や、オプション料金を追加すればシーリングがないシーリングレスのサイディングも選ぶことができます。
目地にシーリング材を使わずパネルを一体化する設計で、シーリングの劣化による雨漏りリスクを大幅に軽減します。また、表面には高耐久塗膜が施され、セルフクリーニング機能により汚れが自然に流れます。
✓塗料選びのポイント
高耐久のフッ素塗料などで耐候性・防汚性を強化すると、美観と塗膜の保護機能を長期間維持することができます。ただし、30年間塗り替え不要と謳われることがありますが、環境や施工条件によっては塗膜の劣化や色褪せは避けられませんので定期点検と必要に応じたメンテナンスが推奨されます。
1-2.タマホームの外壁塗装は10~20年を目安にするべき
タマホームの外壁であっても他の会社の外壁であっても、快適な暮らしを維持するためには必ず外壁塗装が必要になる時期が来ます。
今回は先程お話しましたタマホームでよく見られる3つの外壁材ごとの塗装タイミングについてお話していきたいと思います。」
・窯業系サイディング
基本的に築10年、前回の塗装から10年を目安に塗り替え検討が必要
・塗り壁(モルタル)
基本的に築10年、前回の塗装から10年を目安に塗り替え検討が必要。特にひび割れが10年前後で発生。
・シーリングレスサイディング
30年塗り替え不要と謳う業者もいますが、実際には環境条件や施工状況によって20年前後で塗装が必要な可能性あり。定期点検と必要に応じた補修やメンテナンスが必須です。
1-3.タマホーム外壁からのSOSサインを確認する
先程、塗装時期の目安をお伝えしましたが、以下の劣化症状が見られましたら、「外壁塗装をした方がいい」といった外壁からのSOSサインであることも覚えておきましょう。
※症状が軽い物から順にご紹介しています。
■色褪せ、汚れ
紫外線や雨、排気ガス、雨垂れなどの影響で外壁の色が色褪せたり汚れが目立つようになります。ジメジメとした湿気の多い環境ではコケや藻などの汚れもよく見られます。
放置すると、美観性の低下はもちろん塗膜の防水性も低下しますので外壁塗装で防水性を向上させてあげる必要があります。
■チョーキング現象
外壁を手で触ってみると白い粉がついたことはありませんか?これを「チョーキング現象」と呼びます。
紫外線や雨の影響によって塗膜が分解され、塗料の顔料が表面に粉状になって現れるのです。
このチョーキング現象は防水性が低下した外壁に見られることから、放置すると雨水が外壁材に染み込み、反りやひび割れの原因となります。
■ひび割れ(クラック)
ひび割れは、特に塗り壁(モルタル)で起こりやすい劣化症状です。乾燥収縮や地震、建物の動きによって外壁にひびが生じてしまいます。
ヘアクラック…幅0.3mm以下の細かいひび割れ。今すぐ雨水が起こるほどのひび割れではありませんが、放置するとどんどん幅が拡大してしまいますので、放置は厳禁です。
構造クラック…幅0.3mm以上の大きなひび割れ。雨水が侵入しやすく内部の木材や断熱材にまで浸透すると腐食やシロアリ被害など大掛かりな工事が必要になる可能性があります。
ひび割れを見つけましたら早急な補修や塗装が必要です!
■シーリング(コーキング)の劣化
窯業系サイディングの目地に充填されているシーリング材は、紫外線や温度変化で徐々に硬く劣化していきます。
よく見られるシーリング(コーキング)の劣化
・ひび割れ(上記写真の劣化もひび割れです)
・破断
・剥離
放置すると雨水が侵入し雨漏りや内部木材や断熱材の腐食、シロアリ被害などに繋がります。
■反りや浮き
反りや浮きは窯業系サイディングでよく見られる劣化です。外壁材が湿気や熱で収縮を繰り返すことで反り返ったり、浮いたりする現象が起きます。
初期…目地のラインが不揃いになる。隙間ができる
放置すると、釘やビスの固定が弱まり雨水侵入や外壁材の落下に繋がる恐れがあります。反りや浮きが激しい場合・塗装工事だけでは補いきれず、張替え工事が必要になる場合もあります。
【番外編】シーリングレスサイディング特有の劣化
シーリングレスは目地の劣化が少ないのが大きなメリットですが、施工精度が求められるため注意が必要です。
実際に、出窓周り、入隅(角)など複雑な形状は施工が難しく、わずかな隙間から雨水が侵入するケースが報告されています。
特にサッシ周りや取り合い部分は定期的な点検を欠かさないことが大切です!
誤解しやすい点といたしましては、「30年間メンテナンス不要」と言われていることもありますが、塗膜は必ず劣化するため定期的な点検やメンテナンスは必須です。
2.タマホームの外壁塗装はどこに頼むべき?
タマホームの外壁材やよくある劣化症状など解説して参りましたが、タマホームで家を建てた方の多くが悩むのが「どこに依頼するべきか」です。
ハウスメーカーであるタマホームに直接依頼するのか、それとも塗装専門店やその他の業者に依頼するのか…
それぞれメリット・デメリットがあります。
こちらの章では依頼先ごとの特徴を比較しながら解説していきたいと思います。
2-1.各依頼先の比較表(相場比較も有り)
タマホームをはじめとしたハウスメーカーの外壁塗装の依頼先は大きくわけて以下の3つがあります。
・ハウスメーカーや工務店
・塗装専門店
・その他小売業やリフォーム専門店
これらの業者にはそれぞれメリットやデメリットがございます。
メリットデメリットを整理して比較すると、どの業者が自分に合っているか判断しやすくなりますよ!
タマホーム | 塗装専門店 | その他業者やリフォーム専門店 | |
価格 | ✕ | ◎ | 〇 |
保証内容 | ◎ | 〇 | △ |
塗料・工法の選択肢の豊富さ | △ | ◎ | △ |
施工品質 | ◎ | 〇 | △ |
安心感 | ◎ | 〇 | △ |
30坪の塗装費用目安 | 100~130万円程度 | 95~115万円程度 | 110~140万程度 |
また、外壁塗装の費用には大きく分けて以下のような項目が含まれます。
足場代:約15万円~
塗料代:約35万円~
人件費:約30万円~
諸経費:約15万円~
合計するとおおよそ95万円~の相場になります。これは塗装専門店の金額と一致します。ここで差がでるのが中間マージンです。
タマホームや大手ハウスメーカーは自社で職人を抱えていないため、下請け業者に発注します。その際20~30%程度の中間マージンが上乗せされる事が多く結果として割高になるのです。
それでは、各業者の特徴やメリット・デメリットをより詳しく見ていきましょう!
2-2.タマホーム
結論から申しますと、建ててもらったハウスメーカーに継続して管理してほしい方や、保証制度を重視して安心感やブランド力を重視される方はタマホームに依頼するのがおすすめです。
一方で、大手のブランド力に特別こだわらず、費用を抑えつつ塗料や施工の自由度を重視する方には、塗装専門店に直接依頼したほうが満足度は高いでしょう。
タマホームは新築時から家の図面や仕様を把握しているため、建物に合った施工提案ができるのが大きな強みです。さらに独自の保証制度と定期点検がセットになっており、引き渡し後の節目ごとに無料点検を受けつつ必要な有償工事を行うことで、最長30年まで保証を延長することも可能です。
外壁塗装には15年保証が付帯していますが、高耐久塗料使用など条件があるため事前の確認が必要です。施工に関しても、タマホームの施工マニュアルに沿って一定基準をクリアした協力業者が担当するため、仕上がりの安定性が期待できます。
ただしデメリットとして、実際の施工は下請け業者が行い中間マージンが発生するため費用は塗装専門店と比較すると高く、使用できる塗料や工法は指定仕様が中心となり選択肢が限られます。
また、大手ならではの施工管理に沿って工事が進むため、細かな要望やスケジュール調整の自由度も低い点には注意が必要です。
2-3.塗装専門店
結論から申しますと、高い専門性を重視しつつ費用を抑えたい方や、塗料や施工の自由度を重視する方、柔軟なスケジュール対応を希望する方には、塗装専門店に直接依頼するのがおすすめです。
一方で、保証やブランド力を重視する方にはハウスメーカー経由の施工の方が安心といえます。
塗装専門店は塗装を専門に行う業者であり、直接施工するため中間マージンが発生せず、費用を抑えやすいのが大きなメリットです。
また、塗料や工法の選択肢が豊富で、最新の高耐候性塗料や機能性塗料、仕上げのバリエーション、色など細かい要望にも応じてもらいやすく、専門性の高さが反映されます。もちろん塗装専門店であるため知識も豊富です。
さらに、地元密着型の専門店なら対応が早く、工期や細かな施工内容の調整、急なトラブルや手直しにも柔軟に対応してくれる点も魅力です。アフターフォローや保証についても、塗装後の不具合に迅速に対応してくれる業者が多く、保証期間や内容がハウスメーカーと同等に充実している場合もあります。
ただしデメリットとしては、業者選びを慎重に行わないと失敗する可能性がある点です。
塗装専門店は数が多く、技術力や施工実績、信頼性に差があるため、良い業者を見極めることが重要です。
また、保証やアフターサービスの内容も業者によって異なり、期間が短かったり対象に制限があったりするケースもあります。
さらに、知名度やブランド力が低い業者だと、契約後の対応や万が一倒産した場合の保証について不安が残ることもあるため、口コミや実績、創業年数などの確認は必ず行いましょう。
2-4.その他の業者やリフォーム専門店
結論から申しますと、企業のブランド力を重視したい方や塗装以外のリフォームもまとめて相談したい方には、全国展開しているリフォーム専門店やその他小売業の窓口を利用するのがおすすめです。
一方で、品質を重視されたい方や塗料・施工内容を自由に選びたい方には、専門店やタマホームに直接依頼したほうが満足度は高くなります。
その他小売業やリフォーム専門店を利用するメリットは、大手企業ならではのブランド力と安心感がある点です。
初めての外壁塗装でも窓口が有名企業であれば心理的な安心材料となります。また、塗装だけでなく水回りや内装工事なども同時に相談できるため、家全体のリフォームを検討している場合には便利です。
さらに、全国対応や店舗網が広いため、どこに住んでいても相談しやすく、気軽に問い合わせできる点もメリットです。
ただしデメリットとしては、実際の施工は地元の下請け業者や職人に任せることが多く、仕上がりの安定性にバラつきが出やすい点があります。
また、中間マージンや運営コストが上乗せされるため、費用は塗装専門店に比べて高めになりやすいです。
さらに、使用できる塗料や工法は提携メーカーに限定されることが多く、希望する仕様を自由に選べない場合があります。保証についても窓口ではなく施工業者ごとに異なることが多く、不具合が起きた際に対応に時間がかかったり、責任の所在が不透明になるケースもあるため注意が必要です。
3.まとめ
タマホームの外壁材には窯業系サイディングをはじめ、塗り壁(モルタル)、シーリングレスサイディングなどいくつかの種類があり、それぞれの特徴と注意点があります。外壁塗装を行う際は、素材に合った塗料選びなど知識や技術がとても大切です。
塗装時期は標準仕様で10年前後、シーリングレスでも部位によって劣化がでやすいため、定期的な点検が必須です。
また、タマホームの外壁塗装をどこに依頼するかによっても保証や費用が大きく変わるためしっかり比較して選ぶことが大切です。
南大阪ペイントセンターではヘーベルハウスやセキスイハイムなど大手ハウスメーカーの施工実績が1000件以上あります。
ハウスメーカー仕様の外壁や塗料の特徴を理解した上で最適なプランをご提案できますので安心してお任せください!
関連記事:ハウスメーカーで建てたお家の方へ