外壁塗装や屋根塗装にかかせない「足場の仮設」。安全な作業のためには必要不可欠なものですが実はこの足場が原因で犯罪被害が起こるケースがあることをご存知でしょうか?
「周りでそんな話きいたことないから大丈夫!」「まさか我が家がそんな被害にあうはずがない」と思われる方も多いかもしれません。しかし実際には足場仮設中に被害に遭ったという事例も報告されています。
こちらのコラムでは足場仮設中に起こり得るリスクや実際の被害事例、簡単にできる防犯対策などについて詳しくお話していきたいと思います。ぜひご参考に!

榎本悟
一級塗装技能士・外装劣化診断士
1998年に「南大阪ペイントセンター」を創業し、住宅塗装の専門家として20年以上の経験を持つ。外壁診断や雨漏り診断の豊富な知識を活かし、耐久性と美観を両立させた高品質な施工を提供。さらに、窯業サイディング塗替診断士や雨漏り診断アドバイザーの資格も取得し、住宅の外装全般に関する幅広いアドバイスを行っている。

橋本卓哉
学生時代に塗装業に携わり、大学卒業まで職人として経験を積む。卒業後は外装リフォームの営業・現場管理に従事し、これまでに1,000棟以上の施工を担当。豊富な知識と現場経験を活かして外装診断・施工に取り組んでいる。
1.足場仮設中に気を付けたい!注意すべき3つのリスク
1-1.普段侵入しずらい2階や3階に登りやすいから
1-2.養生シートで家が囲まれていて死角になりやすいから
1-3.人の出入りが多く気付かれにくいから
2.実際にあった足場仮設中の被害実例
2-1.空き巣
2-2.盗撮
2-3.物の破壊やイタズラ
3. 足場仮設中にできる防犯対策6つ
3-1.関係者以外の立ち入りを禁止する
3-2.カーテンや窓の鍵をしめる
3-3.防犯機器やセンサーライトなどの設置をする
3-4.足場の入り口を封鎖する(鍵や仮設扉の設置)
3-5.足場防犯シートで足場を目隠しする
3-6.工程表であらかじめ工程を把握しておく
4.【逆に!】外壁塗装をしていない家は防犯意識が低いとみなされる可能性がある
5.南大阪ペイントセンターが実施する足場仮設中の防犯対策
6.まとめ
1.足場仮設中に気を付けたい!注意すべき3つのリスク
外壁塗装や屋根塗装には足場の仮設は必要不可欠です。しかしこの足場を仮設している期間は一時的に防犯リスクが高まります。ここでは特に注意すべきポイントを3つご紹介したいと思います。
1-1.普段侵入しずらい2階や3階に登りやすいから
足場は本来、作業する人の安全性のために設置されています。
しかし梯子としての役割もあり普段なら侵入することが難しい2階や3階に簡単に登ることができるのです。そのため空き巣などの犯罪者にとっては格好の侵入経路になってしまいます。
1-2.養生シートで家が囲まれていて死角になりやすいから
塗装中は、足場に養生シートをかけて作業を行います。塗料や水の飛散を防ぐため塗装工事が完了するまで設置します。
このシートがあることで建物の様子が見えにくくなり死角が生れます。外からの目も届きにくく不審者が侵入していても気付かれにくく注意が必要です。
1-3.人の出入りが多く気付かれにくいから
塗装工事中は人の出入りが多く見慣れない人が敷地内にいても違和感はありません。全ての工程を一貫して同一会社の職人が施工するならば安心ですが下請け孫請けの職人の顔や名前まで把握できていない場合もあります。
そのため不審者が紛れ込んでいても気付かれにくいリスクもあります。
2. 実際にあった足場仮設中の被害実例
警視庁によると、外壁塗装中の空き巣被害は通常時に比べ約1.5倍に登るというデータがあります。特に窓からの侵入が56.8%と半数を超えます。
そこでここからは、足場の設置によって起きた実際の被害をお話していきたいと思います。
2-1.空き巣
足場から2階に登り窓を割って侵入され、現金や貴金属が盗まれたケースがあります。
特に夜間の足場は人の目が届きにくく死角がたくさんあるため侵入しやすいのでしょう。
2-2.盗撮
塗装中に養生シートの影から室内を盗撮されたという事例もあります。
特に夜間やカーテンを開けていた時に部屋の中を撮影されるなどプライバシー侵害の被害も報告されています。
2-3.物の破壊やイタズラ
家周辺への落書きやイタズラ、物の破壊などの被害もあります。特に玄関周りの物の破壊が多く物理的な被害はもちろん精神的ショックも大きいことでしょう。
外壁塗装中はいつも以上に物の有無や状態のチェックを念入りに行うようにしましょう。
3.足場仮設中にできる防犯対策6つ
では、これらのリスクにどのように対応すればよいのでしょうか?ここからは実践しやすい6つの対策をご紹介していきたいと思います。
3-1.関係者以外の立ち入りを禁止する
敷地内や足場への立ち入りを関係者のみに制限しましょう。敷地や足場の入り口に「関係者以外立ち入り禁止」の看板や表示を提示するようにしましょう。
これにより万が一出入りしている人がいたとしても不審に思って声をかけたり注意を促したりすることができます。
些細なことに思えますが「いつでも見られている」「監視されている」と意識させるだけでも犯罪の抑止効果に繋がります。
3-2.カーテンや窓の鍵をしめる
外壁塗装中ずっと在宅されている方は少なく、日中は職場や学校に出られている方が多いかと思います。
外出の際は全ての窓や勝手口をしっかりと施錠するようにしましょう。
また、昼間だとしても外出中は、カーテンを閉めておきましょう。室内の様子が見えづらくなり留守か在宅か判断されるリスクを軽減できます。
特に足場がかかっている2階や3階は要注意です。
3-3.防犯機器やセンサーライトなどの設置をする
防犯対策としてとても効果的なのが防犯機器やセンサーライトの設置です。
防犯カメラ(ダミーでもかまいません!)や夜間に人感センサーで点灯させるライトなどは不審者が足場に近づくのを防ぐ効果があります。
ホームセンターなどで手に入れることのできる防犯ステッカーも手軽に試すことができおすすめです。
特にライトは近隣の方にも異変に気付いてもらえる可能性も高まるためおすすめです!
おすすめ防犯機器 |
防犯カメラ |
人感センサーライト |
防犯ステッカー |
警報ブザー |
3-4.足場の入り口を封鎖する(鍵や仮設扉の設置)
足場の入り口からの侵入を防ぐために足場の出入り口を仮設扉やネットなどで封鎖し施錠できる状態にしておくことも効果的です。
業者に依頼をすれば取り付けてくれる場合もあります。特に夜間や休日など施工が行われていないときに封鎖することをおすすめします。
3-5.足場防犯シートで足場を目隠しする
通常の養生シートは透明性があり足場の内部が見えます。そこでおすすめなのが防犯機能を兼ね揃えた足場用の防犯シートの活用です。
「監視中」や「防犯カメラ作動中」など垂れ幕付きのシートもあるため犯罪抑止力にも効果があります。
3-6.工程表であらかじめ工程を把握しておく
「誰が」「いつ」「どんな」作業をしているのかあらかじめ把握しておくことも大切です。家族全員で情報を共有することで万が一予定にない人物が敷地内にいた場合でも「おかしい」と気付くことができるでしょう。
近隣の方にも簡単なスケジュールを伝えておくと地域全体での防犯意識も高まります。
また、外壁や屋根の塗装の場合、実際にお客様がご依頼された業者が工事を施工しない場合があります。
これはお客様がご依頼された業者が下請けや孫請け業者に工事を依頼し、実際に外壁塗装を実施するのは違う業者である場合があります。そうなればお客様にとっては職人の把握が大変難しくなります。
そのようなことを防ぐためにも「いつ」「誰が」「どんな作業を」しているか把握しておきましょう。
4.【逆に!】外壁塗装をしていない家は防犯意識が低いとみなされる可能性がある
ここまで足場仮設中の防犯対策についてお話して参りましたが、実は「外壁の塗装状態」や「家の見た目」も空き巣にとっては重要な判断材料となります。
家全体の老朽化が進んでいると「この家は防犯対策に無頓着かもしれない」と思われ狙われやすくなる可能性があります。
空き巣は計画的にターゲットを選びます。
・外壁が色褪せて古びている
・雨戸などの老朽化
・郵便受けに手紙がたまっている
・雑草が伸び放題になっている
・玄関周りが手入れされていない
手入れされていない=防犯意識が低い=警戒心が薄そう といった印象を与えてしまうのでしょう。
あなたならどちらの家を狙いますか?
5.南大阪ペイントセンターが実施する足場仮設中の防犯対策
南大阪ペイントセンターは、外壁塗装専門業者であるため、下請けや孫請けは利用せず自社の職人での施工を行います。
また、職人とお客様間で毎日の交換日記(工事進捗状況や施工した職人の名前等の記載あり)もさせて頂きますので職人の見える化もでき、防犯対策にも繋がります。
また、無闇に家に業者を入れないことも防犯対策の一つになります。弊社ではトイレの用意は自分たちであらかじめ行いますのでお客様のトイレをお借りすることはありません。お茶出しもご遠慮いただいております。
また、ご希望があれば「監視カメラ作動中」の張り紙もご用意いたしております。
6.まとめ
結論:足場の防犯対策は万全に!
足場は塗装工事の安全や効率性向上のためにもなくてはならない存在です。しかしその一方で空き巣や盗撮など防犯リスクを高める原因にもなります。
そのため防犯対策をしっかりと行い快適な塗装を行いましょう。
1.関係者以外の立ち入りを禁止する
2.カーテンや窓の鍵をしめる
3.防犯機器やセンサーライトなどの設置をする
4.足場の入り口を封鎖する(鍵や仮設扉の設置)
5.足場防犯シートで足場を目隠しする
6.工程表であらかじめ工程を把握しておく