雨漏りすると被害損失大!工場屋根にメンテナンスが必須な理由3つ

工場屋根にメンテナンスをしないと雨漏りなどの原因に

工場の屋根は実は非常に重要な役割を担っています。長年にわたって雨風に晒されている屋根は徐々に徐々にと劣化が進み様々な問題を引き起こす可能性があります。

実際に豪雨による屋根の漏水被害によって生産ラインに影響を与えた事例もあるのです…!

こちらの記事では、工場屋根にメンテナンスが必要な理由弊社の事例を交えた実際のメンテナンス方法費用など詳しく解説します!

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監修者情報
監修者 榎本悟

榎本悟

一級塗装技能士・外装劣化診断士
1998年に「南大阪ペイントセンター」を創業し、住宅塗装の専門家として20年以上の経験を持つ。外壁診断や雨漏り診断の豊富な知識を活かし、耐久性と美観を両立させた高品質な施工を提供。さらに、窯業サイディング塗替診断士や雨漏り診断アドバイザーの資格も取得し、住宅の外装全般に関する幅広いアドバイスを行っている。


監修者 橋本卓哉

橋本卓哉

学生時代に塗装業に携わり、大学卒業まで職人として経験を積む。卒業後は外装リフォームの営業・現場管理に従事し、これまでに1,000棟以上の施工を担当。豊富な知識と現場経験を活かして外装診断・施工に取り組んでいる。

工場屋根にメンテナンスが必要な理由3つ

工場屋根は約10年に一度のメンテナンスが必要とされていますが、屋根の形状や環境によっても変わります。以下は代表的な工場屋根のメンテナンス時期(目安)です。

屋根の種類 メンテナンスの時期 起こり得る劣化
折板屋根 約10年 サビや雨漏りが起きやすい
スレート屋根(波型) 約10~15年 表面のひび割れや破損が起きやすい
トタン屋根 約7~10年 サビが進行しやすい
ガルバリウム鋼板 約10~15年 紫外線による劣化が多い

1-1.雨漏りや腐敗等から大切な商品や設備を守るため

メンテナンスを怠り雨漏りした工場屋根

雨漏りや腐敗は工場にあらゆる被害をもたらします。特に工場は大切な設備や商品、会社にとって資産となる重要な物が保管されており一般住宅よりも大きな被害に繋がることでしょう。

屋根の劣化を放置すると品質低下や生産ラインの停止などトラブルが発生する可能性があるため、雨漏りや腐敗などが起こる前に定期的なメンテナンスが必要です。

以下は実際にあった工場の雨漏り被害です。

1-1-1.雨漏りによって1か月間生産がストップしてしまった事例

愛知県清須市の部品製造工場
築30年の愛知県清須市の部品製造工場では、一度も屋根のメンテンナンスをしておらず屋根に穴があき雨漏りが発生しました。その間1か月生産はストップしてしまいました。

1-1-2.ひょうによって復旧費用6.5億円がかかった事例

兵庫県加古川市多木化学(2024年4月)
兵庫県に降ったひょうにより脆くなった屋根に穴があき生産在庫や社有車などが破損してしまい復旧費用に6.5億円以上かかりました。

出典:神戸新聞

1-1-3.中小企業で被害を受けた場合のシミュレーション

また、一般的な中小企業の工場が屋根からの雨漏りで商品や設備に被害を受け生産停止した場合の被害額シミュレーションをしてみました。

・モデルケース
業種:部品製造工場
従業員数:約30人
年間売り上げ:3億円
生産ライン数:3本
生産稼働日数:22日/月

被害内容 内容 被害想定額
商品の水濡れ 工場に保管していた製品約300万円が濡れてしまったため破棄 約300万円
設備の故障 機械が浸水、修理や交換が必要 約200万円/1台
生産停止 3日間生産停止(1日100万円の損失) 約300万円
人件費 稼働停止中も従業員に給料は発生する(30人×1万円×3日) 約90万円
顧客対応 納期の遅延や違約金の発生。最悪の場合取引停止 契約破棄の場合約500万円の損失

よって、損失総額約1300万円にのぼるケースも…!定期的な屋根のメンテナンスをしていれば防げた損失です…。

1-2.資産価値の低下を防ぐため

サビや汚れが目立ちメンテナンスしていない工場屋根

工場の屋根は常に雨風や紫外線の影響を受け、年月が経つにつれ劣化していきます。特にサビやひび割れなどの劣化は起きやすく工場全体の資産価値が大きく低下してしまいます。

とくに将来的に賃貸や売却を検討されている場合評価に大きく影響します。

工場の屋根を適切にメンテナンスしておくことは資産価値の維持にも繋がる将来に向けた投資ともいえるでしょう。

1-3.企業イメージを保つため

工場は従業員だけでなく、取引先や顧客が訪問する場所でもあります。屋根の劣化や雨漏りなどは企業の信頼を損なう要因になってしまいます。

さらに雨漏りによって生産停止などトラブルが発生すれば「企業の管理体制に問題がある」とマイナスイメージに繋がるリスクもあります。

屋根のメンテナンスを定期的に行うことで企業のイメージアップや信頼にも繋がることでしょう。

2.【相場や方法を解説!】工場屋根のメンテナンス方法は3種

ここからは実際のメンテナンス方法を3つにわけて解説していきたいと思います。

2-1.屋根塗装

工場屋根のメンテナンス 屋根塗装の工程

屋根に塗装し、本来の防水性を向上させる最も手軽なメンテナンス方法です。他のメンテナンス方法に比べ工期が短く費用も比較的安価です。

しかし屋根に大きな損傷がある場合やすでに雨漏りが発生している場合は塗装でのメンテナンスで補いきれないケースがあります。

規模によりますが小工場で1週間~、中工場で1~2週間、大工場で2~3週間の工期が必要になります。

費用も規模や使用する塗料によって変動しますが2500円/㎡~が相場とされています。

工場屋根のメンテナンス 屋根塗装の工程

高圧洗浄機で屋根の汚れや古い塗膜を流していき、サビや浮いた古い塗膜を削り落としていきます。

工場屋根のメンテナンス 屋根塗装の工程

その後下塗り材でサビ止めをしっかり行い、中塗り・上塗りで耐久性と美観性を向上させます。(計3回塗装します)

その後塗りムラがないか確認し乾燥したら完了です。

工場屋根は折版屋根が多く断熱材が設置されていないケースが多いため暑さを軽減させる遮熱塗料で塗装される方が多いです。

参考記事:工場で使用される折板屋根には遮熱塗料で塗装がおすすめ4つの理由

メリット デメリット
低コスト 劣化が進行している場合はできない
工期が短く工場の影響への影響も少ない 今後、再塗装が必要

2-2.カバー工法

工場屋根のメンテナンス カバー工法

カバー工法は既存の屋根の上から新しい屋根を被せる工法です。断熱性や防音性も向上されるため省エネ対策にも繋がるメンテナンス方法です。

しかし屋根塗装と比べ費用相場は、約10000/㎡円~と高額です。工期は規模によりますが小工場で1週間~、中工場で1~2週間、大工場で2~4週間必要になります。

✓カバー工法の工程
1.既存屋根の洗浄
2.下地の補修
3.断熱材やルーフィングシート(防水紙)を設置
4.新しい屋根材を既存屋根に被せビスで固定

カバー工法では軽量で耐久性に優れたガルバリウム鋼板を使用されるケースが多いです。

メリット デメリット
廃材が少ない 屋根が重くなるため耐震性などチェックが必要
工場の稼働を止めなくていい 塗装より高価
断熱・防音性向上  

2-3.葺き替え工法

工場屋根のメンテナンス 葺き替え工法

葺き替え工法は既存の屋根材を全て撤去した後に、新しい屋根材に交換する最も大掛かりなメンテナンスです。雨漏りが深刻化、下地まで腐食している場合はこのメンテナンス方法が一番最適です。

屋根が新しくなるため安心感が大きいですが工期が長く費用も高額になります。相場は12000円/㎡~工期は小工場で10日間~、中工場で2~3週間、大工場で3~5週間必要になります。

✓葺き替え工法の工程
1.既存屋根の撤去
2.下地の補修や張替え
3.防水シートの設置
4.新しい屋根材を設置

メリット デメリット
屋根が一新されるため安心感が強い 工期が長くなる(工場の稼働を止めなければならない場合もある)
屋根全体の資産価値向上 高額になりやすい
長期的にみてメンテナンスコストが抑えられる  

3.弊社での工場屋根のメンテナンス施工事例

ここからは実際の弊社での工場屋根のメンテナンス施工事例をご紹介したいと思います。

3-1. 堺市の社屋兼工場に折板屋根の遮熱塗装を実施して空調効率アップ

工場屋根に屋根塗装によるメンテナンス 施工事例のビフォーアフター

金属屋根である折板屋根は夏場になると屋根表面が非常に高温になり、社屋兼工場に勤める従業員の皆さまは暑さにお困りでした。

せっかく工場のメンテナンスをされるならと、折板屋根への遮熱塗装で屋根の表面温度を下げ夏場の暑さ対策のご提案をいたしました。

堺市の社屋兼工場に折板屋根の遮熱塗装を実施して空調効率アップ

3-2.堺市の工場で雨漏り被害スレートからガルバリウム鋼板へカバー工事

工場屋根にカバー工法によるメンテナンス 施工事例のビフォーアフター

堺市の工場にて雨漏りのご相談をいただきました。雨漏りは以前から何度か繰り返しておりご自身で補修をされていたそうですがなかなか解決に至らなかったようです。

すでに雨漏りが起きているため塗装でのメンテナンスは不可と判断しガルバリウム鋼板でのカバー工法を施工させていただきました。

堺市の工場で雨漏り被害スレートからガルバリウム鋼板へカバー工事

3-3.河内長野市にて折板屋根の塗装

工場屋根に屋根塗装によるメンテナンス 施工事例のビフォーアフター

屋根表面のコーティングの劣化と、屋根を腐食から守ろうとする時に発生する「白サビ」が見られた折板屋根に塗装でのメンテナンスを行いました。

屋根の寿命を延ばすために下塗りにサビ止め材を使用しました。

河内長野市にて屋根塗装を行いました【店舗の折板屋根】

4.工場屋根のメンテナンスについてよくある質問Q&A

Q1.屋根塗装、カバー工法、葺き替え工法どれを選べばいいですか?

A. 屋根の劣化状況によって最適なメンテナンス方法は異なります。

表面のサビや色褪せなど軽度の劣化に適しているのは塗装、サビが進行しているが下地がしっかりしている場合はカバー工法、屋根材や下地自体の劣化がかなり進行している場合やすでに雨漏りが発生している場合は葺き替え工法がおすすめです。

まずは業者に屋根の状態を点検してもらい最適なメンテナンス方法を選ぶことが大切です。

Q2.工場が稼働中でも屋根のメンテナンスはできますか?

A. 可能です。施工中は騒音や振動が発生する場合がありますが事前に調整することも可能です。一部葺き替え工法では稼働を停止しなければならないケースもあります。

Q3.雨漏りしていないけどメンテナンスは必要ですか?

A.はい、見えない場所でサビなどの劣化が進行しているケースがあります。雨漏りが始まってからでは手遅れになるケースもあるため定期的な点検やメンテナンスが必要です。

Q4.工場の屋根にアスベストが含まれていたらどうなりますか?

A.アスベストが含まれている場合、葺き替え工事では専門資格を持つ業者での撤去処分が必要です。塗装やカバー工法では撤去が不要のため飛散リスクはありません。

特に1970~2000年代前半に設置されたスレートや波型セメント板では高確率でアスベストが含まれているため注意が必要です。

Q5.台風や地震などで屋根が壊れた場合火災保険を使ってメンテナンスできますか?

A.条件を満たせば火災保険が使える場合があります。被害状況を確認してから業者や保険業者に相談しましょう。

5.まとめ

いかがでしたでしょうか。

工場の屋根は雨漏りなどが生じてしまうと品質低下や生産ラインの停止などトラブルが発生する可能性があるため、雨漏りや腐敗などが起こる前に定期的なメンテナンスが必要です。

工場屋根のメンテナンスには「屋根塗装」「カバー工法」「葺き替え工法」の3つの方法があります。

屋根の劣化状況によって最適なメンテナンス方法は異なりますので屋根の劣化が気になる場合一度業者にご相談される事をおすすめしております。

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榎本悟

一級塗装技能士・外装劣化診断士
1998年に「南大阪ペイントセンター」を創業し、住宅塗装の専門家として20年以上の経験を持つ。外壁診断や雨漏り診断の豊富な知識を活かし、耐久性と美観を両立させた高品質な施工を提供。さらに、窯業サイディング塗替診断士や雨漏り診断アドバイザーの資格も取得し、住宅の外装全般に関する幅広いアドバイスを行っている。


監修者 橋本卓哉

橋本卓哉

学生時代に塗装業に携わり、大学卒業まで職人として経験を積む。卒業後は外装リフォームの営業・現場管理に従事し、これまでに1,000棟以上の施工を担当。豊富な知識と現場経験を活かして外装診断・施工に取り組んでいる。

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