セラミック塗料とは?おすすめしない3つの理由と塗り替え時の注意点

セラミック塗料とは?おすすめしない3つの理由と塗り替え時の注意点
「セラミック塗料は劣化しないって本当?」
「セラミックは長持ちするイメージがあるが実際はどうなの?」

といった皆さまが抱かれる疑問について、塗装専門店の視点でセラミック塗料の真相をお話させてください。

セラミック塗料で塗装すると、たしかに見た目が豪華で大変高級感がでるのは事実です。
ですが美観というメリットよりも、デメリットの方が大きいので南大阪ペイントセンターではセラミック塗料での提案はしておりません!

セラミックが含まれているので硬さがあるため逆にひび割れがしやすく、劣化すると砂のように塗膜が崩れてきます。
そこでこちらのページではセラミック塗料について以下の内容を紹介します。

当コラムで紹介する内容
  • セラミック塗料の特徴と真相
  • セラミック塗料をおすすめしない3つの理由
  • セラミック塗料からの塗り替え時の注意点
  • セラミック塗料から塗り替えた外壁塗装の事例

セラミック塗料のメリット・デメリットを加味していただいた上で、本当にセラミック塗料での塗装が必要かを判断いただければと思います。

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1.セラミック塗料とは

セラミック塗料はわかりやすくいいますと、陶器や天然石等を細かく砕いて樹脂と配合した塗料です。

一般的な塗料は様々な樹脂に顔料を混ぜたものがほとんどですが、セラミック塗料には顔料の代わりにセラミック(陶器・天然石など)が含まれています。

見た目には御影石のような意匠性の高い仕上がりとなり重厚感や高級感がでます。
ビルやホテルの玄関やロビー等でもよく見かけます。

2.セラミック塗料を絶対におすすめしない3つの理由

南大阪ペイントセンターではセラミック塗料での塗装はおすすめしていません。

なぜかというと、美観が良くなるというメリットよりもデメリットの方が多いからです。

おすすめしない理由は以下の3つです

・ひび割れに弱い
・劣化すると砂のように塗膜が脆くなる
・バブル全盛期に悪徳業者が提案していた

もしもセラミック塗料仕上げでよくある御影石のような意匠性を再現するなら、他にもっといい塗料があります。
たとえば、細かいチップを吹き付けて天然石のような模様をつくる、多彩模様塗料のほうがデメリットはなく高級感あるデザインを再現できます。

そのため弊社ではあえてセラミック塗料の提案はしていません。

2-1.ひび割れに弱い

ひび割れたセラミック塗料仕上げの外壁

セラミック塗料の最大の弱点のがひび割れです。

砂状のものを樹脂で固めているので、一般的な塗料と比べてひび割れが起こりやすいというデメリットがあります。

セラミックの塗料は一見非常に硬く見えるものの、その硬さが逆に柔軟性を欠く原因となります。
塗装後に建物が揺れるような状況や温度差の影響を受けると、ひび割れが生じやすくなることがあります。

亀の甲のようにひび割れるセラミック塗料仕上げのALC
実際に前回セラミック塗料で塗装されてから約15年経過した外壁の状態です。

亀の甲のような細かいひび割れが起きている原因としては、外壁の下地であるALCのデザインボードの凹凸が激しいため、新築時の吹付塗装の際に規定以上の量を吹付てしまい、塗膜に厚みができすぎて割れやすい状態であったと想定されます。

外壁の写真 塗料
セラミック塗料仕上げの目地 セラミック塗料
リシン仕上げの目地 リシン仕上げ

こちらは同じ築15年前後の外壁を比較してみました。

どちらも下地はALCですが、仕上げの塗装方法によってひび割れしているかの有無が変わりますね。

築15年ですと紫外線のあたり具合によってはセラミック塗料以外でもひび割れするケースは確かにありますが、それでもセラミック塗料の方が圧倒的にひび割れ率が高いのです。

2-2.劣化すると砂のように塗膜が脆くなる

砂のように崩れるセラミック塗料仕上げの外壁

セラミック塗料は紫外線を受けることで、塗膜の樹脂が分解されセラミックの主成分である陶器や天然石が表面に出てきて砂のようにサラサラと塗膜が剝がれてしまいます。

サラサラと塗膜が剝がれ落ちることで、せっかくの高級感ある色もムラができてしまいます。

前回セラミック塗料で外壁塗装をした外壁

上の写真は実際に前回セラミック塗料で塗装された住宅です。

実際に過去に別の業者でセラミック塗料の塗装工事をされたお客様は、この砂のように崩れる症状を見て「工事を依頼したのは失敗だった」と仰っていました。

塗りたては大変意匠性高い見た目だったとお聞きしますが、塗装後間もなくサラサラと塗膜が落ちてきたのでご不安を抱かれていました。

2-3.バブル全盛期に悪徳業者が提案していた

セラミック塗料仕上げの外壁

「セラミック塗料は一生もちます」
バブル全盛期、訪問販売業者の有名な企業では「セラミック塗料は半永久」と謳っていました。

当時営業をしていた元塗装職人の方から話を聞くと、セラミック塗料は塗りたてはかっこよく金額も高いので悪徳訪販会社がこぞって使用していたようです。

そのため、セラミック塗料は吹き付けで施工することから「吹き付け=手抜き・ぼったくり」というイメージを持ったお客様もたくさんおられました。

実際にしっかりとした施工がされておらず、すぐに劣化してきてしまったセラミックの外壁をたくさん見てきました。

しかし、セラミック塗料・吹き付け自体が手抜きではありませんので、風評被害といえます。
今現在でもセラミック塗料のデメリットを説明せず、見た目の高級感をアピールして高額な契約をしている会社もまだあるようです。

国民生活センターでセラミック塗料によるトラブルを調べたところ、近年でも以下のような事例がありました。

【事案9】戸建て住宅の外壁塗装の品質に関する紛争
(6) 1.当事者の主張 <申請人の主張の要旨> 平成30年4月、屋外で作業していたところ、相手方が外壁塗装の営業に来たので、その日の夜に改めて話を聞いた。
相手方から、外壁のひび割れについて「早く塗装しないと大変なことになる。セラミック塗装なら30年持つ」と言われたので、外壁塗装と屋根塗装(合計約200万円)を依頼することにした。
翌日、再度相手方が来訪し、契約書を交わした。 同年5月から塗装工事が始まり、2日間の作業後相手方から、外壁、屋根、付帯部分のすべての塗装が終わったと言われた。
あまりに早かったので何回塗ったか尋ねたところ、契約時に5回と説明を受けたにもかかわらず、下請け業者は4回と答えた。相手方の担当者は5回塗ったと主張するが、2 日でそれだけの作業をすることは困難と思われる。それ以外にも、作業内容として説明を受けた塗膜の剥がれ処理のための下地処理や目地の補修が行われていなかったり、当初は「塗れるところは全部塗る」と説明を受けたのに、一部塗ってもらえない部分があるなど、契約時の話と実際の作業内容が違う点がいくつもあった。

引用元:国民生活センター|【事案9】戸建て住宅の外壁塗装の品質に関する紛争(6)

3.「セラミック塗料は高耐久」の大きな間違い

樹脂による塗料の耐用年数の違い

「セラミック」とお聞きになると高耐久なイメージを持たれる方も多いと思いますが、セラミックだからといって長持ちするわけではありません。

そもそも塗料の耐久性を変えるのは、セラミックや顔料ではなく樹脂の種類なのです。
なぜなら塗料の主成分は樹脂なので、耐用年数は樹脂の種類によって異なるのです。

たとえば、上記図にあてはめるとウレタン樹脂にセラミック成分を配合した塗料の耐用年数は7~10年になります。
耐用年数の長いものですと、フッ素樹脂にセラミック成分を配合した塗料は15~20年の耐用年数が期待できます。

あくまで「セラミック」は成分の名称で、セラミック塗料だからといって高耐久になるわけではないのです。

4.前回セラミック塗料で塗装された場合の塗り替えはシーラーが必須!

セラミック塗料仕上げの外壁にシーラーを塗布する工程

セラミック塗料の上から塗り替えする際は、通常の3工程の前に砂状の外壁に浸み込んで固まるシーラーを必ず塗る必要があります。

セラミック塗料は劣化して樹脂成分がなくなると砂の塊になるので、手で触るとサラサラと砂が流れ落ちていきます。
もろくなった砂状の塗膜にシーラーを塗ることで、下地がカチッと固定されます。

外壁の種類 塗装回数
通常の外壁 計3回(下塗り・中塗り・上塗り)
セラミック塗料仕上げの外壁 計4回(シーラーによる下塗り・下塗り・中塗り・上塗り)

通常の3工程だけではすぐに剥がれてきてしまう可能性があるため、下地がセラミック仕上げの外壁の場合は必ずシーラーを塗布します。

ただシーラーを提案しない業者もいるのが事実です。
実際にセラミック仕上げの住宅の塗り替え時に相見積もり先の見積もり内容を拝見したところ、通常の3回塗りを提案している業者が多かったです。

シーラーを使用せず通常の3回塗りをした場合、2~3年で塗膜が乖離してくる危険性があります。

そのため前回セラミック塗料で塗装された住宅の塗り替えには、必ずシーラーと呼ばれる下塗り塗料が必須とご認識おきください。

5.セラミック塗料から塗り替えた外壁塗装の事例

実際にセラミック塗料仕上げの外壁に塗装工事を実施した事例があります。

いずれのお客様も、ひび割れや砂のように落ちる塗膜にご不安を抱かれておりました。

そこでシーラーをプラスした、計4回塗りの塗装工事を実施しています。

羽曳野市でセラミック塗料の剥がれへの対策として4回塗りの外壁塗装

羽曳野市でセラミック塗料の剥がれへの対策として4回塗りの外壁塗装

価格 128万円 工事期間 18日間
塗料名 関西ペイント RSシルバーグロスSI 水性ラジカルシリコン 塗料種別 ラジカルシリコン
面積 171m2 築年数 30年

価格 128万円
工事期間 18日間

「塗装して間もない内から外壁のセラミック塗料がポロポロと剥がれる」とご相談をいただきました。

別の塗装会社にて数年前にセラミック塗料での塗装工事をされましたが、塗料の密着が不十分で亀の甲のようなひび割れとともにポロポロと塗膜が剝がれている現状でした。

外壁にはパワーボード(ALC外壁)が使用されており、外壁表面の塗装にはセラミック塗料が施されています。

ひび割れは目地に発生していますが、おそらくセラミック塗料自体がひび割れに強くないことから、今回の症状が起きたと推測されます。

外壁の色褪せやひび割れを気にされており、同時期に建てたご近隣が塗装工事を始められたことがきっかけで工事のご相談をいただきました。

東大阪市 外壁塗装を実施したことで剥がれ落ちていた外壁が強固に復活

東大阪市 外壁塗装を実施したことで剥がれ落ちていた外壁が強固に復活

価格 107万円 工事期間 14日間
塗料名 関西ペイント アレスダイナミックトップ 塗料種別 ラジカルシリコン塗料
面積 189m2 築年数 11年

価格 107万円
工事期間 14日間

築11年とまだ新しいお宅の外壁のセラミック塗料が、劣化によりポロポロと剥がれ落ちてしまっている状態だったので、下地補強にセメント系のフィラーを塗ってからラジカル塗料を塗り外壁塗装をすることで強固な外壁に蘇りました。

6.セラミック塗料のお困りごとは南大阪ペイントセンターへご相談ください

セラミック塗料が流行してから20年以上経過するので、「前回セラミック塗料で塗装をした」といった住宅は決して少なくありません。

前回セラミック塗料で塗装をされた場合、知識不足な業者へ再塗装を依頼してしまうと誤った塗装になり長持ちしない可能性が高いです。

実際にセラミック塗料仕上げの外壁に対して、通常の3回塗りをすすめる業者は存在します。
ですが、そういった業者へ依頼してしまうと施工不良を起こし2~3年もしないうちに塗膜が剝がれる可能性が高いです。

必ずセラミック塗料仕上げの外壁には下塗り塗料であるシーラーが必須のため、知識のある塗装業者でしたら間違いなくシーラーを含めた4回塗りを提案するでしょう。

そのため、見積もり内容の内訳に「〇〇シーラー」といった下塗り塗料が含まれているか確認されるといいでしょう。

ちなみに南大阪ペイントセンターではセラミック塗料仕上げの外壁には「カチオンシーラー」という下塗り塗料を使用します。

前回セラミック塗料で塗装をされて劣化症状にお困りでしたら、一度南大阪ペイントセンターへご相談いただけますと幸いです。

7.まとめ

  • セラミック塗料は顔料の代わりに細かく砕いた陶器や天然石が含まれた塗料の総称
  • セラミック塗料をおすすめしない3つの理由

    1.ひび割れに弱い
    2.劣化すると砂のように塗膜が脆くなる
    3.悪徳業者が提案していた

  • セラミック塗料は高耐久ではなく、耐久性は樹脂によって異なる
  • セラミック塗料仕上げの外壁の塗り替えには下塗り塗料のシーラーが必須

前回セラミック塗料で塗装されたことで、現在様々な症状でお困りになっているお客様は多くいらっしゃるでしょう。

セラミック塗料をはじめ様々な外壁のお困りごとは、どんな些細なことでも一度南大阪ペイントセンターへご相談ください!

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