「延床50坪の住宅の場合、外壁塗装の相場はいくら?」
「見積書の金額が高いのかも安いのかも判断ができない…」
といったお困りはありませんか?
50坪という非常に大きな住宅の規模となると、建物の大きさに比例して塗装費用も高額になる傾向があります。
そこで延床50坪住宅を塗装面積約280㎡と仮定して外壁塗装の相場を算出したところ、135~155万円との相場が計算されました。
一方で世間一般的な50坪住宅の相場は約100~160万円と言われています。
ですので135~155万円の範囲はほぼ標準的な金額です。
しかし50坪の相場135~155万円はあくまで目安であって、住宅の条件によってはこの金額が大きく変動することも多いです。
実際に当ページでご紹介する弊社の50坪の外壁塗装の事例では、135~155万円の相場に当てはまっていないケースがほとんどです。
その理由は、50坪クラスの住宅の多くが大手ハウスメーカーの住宅であることに関係します。
ハウスメーカーの住宅は特殊な仕様や構造的な特徴を持つことが多いため、他の戸建て住宅に比べると高額になるケースが多いのです。
相場感を知ることは重要ですが、それよりも見積もり金額の内訳を押さえて、あなたの住宅が実際どれ位の金額がかかるのかをしっかり検討していくことが大切です。
・50坪の外壁塗装の相場
・50坪の外壁塗装の内訳
・50坪の相場がわかる実際の見積書の例
50坪の相場感と金額の変動要因を知ることで、今まさに目の前にある見積書が適正金額かどうか判断しやすくなるでしょう。

榎本悟
一級塗装技能士・外装劣化診断士
1998年に「南大阪ペイントセンター」を創業し、住宅塗装の専門家として20年以上の経験を持つ。外壁診断や雨漏り診断の豊富な知識を活かし、耐久性と美観を両立させた高品質な施工を提供。さらに、窯業サイディング塗替診断士や雨漏り診断アドバイザーの資格も取得し、住宅の外装全般に関する幅広いアドバイスを行っている。

橋本卓哉
学生時代に塗装業に携わり、大学卒業まで職人として経験を積む。卒業後は外装リフォームの営業・現場管理に従事し、これまでに1,000棟以上の施工を担当。豊富な知識と現場経験を活かして外装診断・施工に取り組んでいる。
1.外壁塗装の相場は50坪の場合135~155万円
2.50坪の外壁塗装はハウスメーカーが多いため相場が高くなる傾向にある
3.実際の50坪(塗装面積約280㎡)の外壁塗装の相場を事例別に公開
3-1.総額約183万円|築15年の50坪3階建て住宅(窯業系サイディング・ガルバリウム鋼板)
3-2.総額約124万円|築20年の50坪3階建て住宅(窯業系サイディング・ガルバリウム鋼板)
3-3.総額約182万円|築33年の50坪3階建てヘーベルハウスの住宅(ALC・陸屋根)
3-4.総額約205万円|築27年の約50坪2階建て積水ハウスの住宅(窯業系サイディング・セメント瓦)
3-5.総額約282万円|築20年の約50坪3階建て積水ハウスの住宅(窯業系サイディング・スレート瓦)
4.【重要】あくまで相場は目安!変動する可能性は高い
5.まとめ
1.外壁塗装の相場は50坪の場合135~155万円
50坪の外壁塗装の相場は135~155万円です。
以下は一般的な50坪の塗装面積を約280㎡と仮定して算出した内訳です。
工事内容 | 価格 |
共通工事(足場・高圧洗浄) | 344,200 |
外壁塗装 |
700,000 |
コーキング工事 | 250,000 |
付帯塗装 | 150,000 |
合計 | 1,444,200 |
2.50坪の外壁塗装はハウスメーカーが多いため相場が高くなる傾向にある
そもそも50坪クラスの住宅となると、その多くが大手ハウスメーカーによって建てられた住宅であることがほとんどです。
厳密に言えば、40坪を超える規模の住宅になるとハウスメーカーの比率が大きく上がるため、それに伴い外壁塗装の費用も相場より高くなる傾向にあります。
前章では、50坪(塗装面積約280㎡)と仮定し、一般的な相場として135〜155万円程度をご紹介しました。
しかし実際にはハウスメーカー特有の設計や仕様の違いにより、相場よりも高い金額になることが多いです。
「50坪だからこの金額になる」と一律で判断するのは難しく、実際の相場は住宅の構造や施工条件に大きく左右されるのです。
3.実際の50坪(塗装面積約280㎡)の外壁塗装の相場を事例別に公開
50坪の外壁塗装の相場を135~155万円とご紹介いたしました。
ですが実際のところ住宅によって条件が様々ですので明確な坪数が分かっていても相場を出すのは極めて困難です。
本来外壁塗装の金額は坪数ではなく現地に伺って塗装面積を測るので「50坪だから相場は〇円」とは表しにくいのです。
実際に本項でご紹介する50坪(塗装面積約280㎡)の外壁塗装は、どの事例も135∼155万円に当てはまっておりません。
前章でも紹介したとおり、50坪前後の住宅では大手ハウスメーカーで建てられたお家が多いため、どうしても相場とかけ離れた金額になる傾向があります。
ハウスメーカーの住宅は、特殊な仕様や構造的な特徴を持つことが多いため、他の戸建て住宅に比べると高額になるケースが多いです。
住宅の条件によって金額は大きく変動します。
本項では相場と金額が異なったのかの理由も含め、実際の見積り内容とともにご紹介いたします。
3-1.総額約183万円|築15年の約50坪3階建て住宅(窯業系サイディング・ガルバリウム鋼板)
工事内容 | 価格 |
共通工事(足場・高圧洗浄) | 475,600 |
外壁塗装 |
807,300 |
屋根塗装なし(ガルバリウム鋼板の劣化が見られず塗装見送る ) | 0 |
コーキング工事 | 311,100 |
付帯塗装 | 244,200 |
合計 | 1,838,200 |
窯業系サイディング外壁とガルバリウム鋼板屋根の組み合わせの住宅です。
サッシ廻りから雨漏りが発生していたので、コーキング増し打ち工法で原因となる隙間を埋めて雨漏りが改善した事例です。
相場135~155万円より高額な要因は以下のとおりです。
・コーキング工事のm数が多い
・付帯部の塗装面積が多い
▼外壁塗装の詳しい事例の内容▼
羽曳野市で外壁からの雨漏りをサッシのコーキング工事で解決
3-2.総額約124万円|築20年の約50坪3階建て住宅(窯業系サイディング・ガルバリウム鋼板)
工事内容 | 価格 |
共通工事(足場・高圧洗浄) | 390,000 |
外壁塗装 |
480,000 |
屋根塗装なし(ガルバリウム鋼板の劣化が見られず塗装見送る ) | 0 |
コーキング工事 | 265,500 |
付帯塗装 | 90,700 |
その他の工事(パネル脱着) | 15,000 |
合計 | 1,241,200 |
窯業系サイディングとガルバリウム鋼板の組み合わせの住宅です。
外壁材の条件は前述した事例と同じですが、合計金額が訳124万円と安価になっていますね。
大きく違うのは塗料の単価と付帯部の塗装面積です。
50坪の外壁塗装にしては比較的安価になった要因を以下にまとめています。
・使用した塗料単価(@1,600円/㎡)が比較的安価
・コーキング工事のm数が少ない
・付帯部の塗装面積が少ない
▼外壁塗装の詳しい事例の内容▼
松原市にてサイディングの外壁工事を実施(総額約120万円)
3-3.総額約182万円|築33年の約50坪3階建てヘーベルハウスの住宅(ALC・陸屋根)
工事内容 | 価格 |
共通工事(足場・高圧洗浄) | 395,350 |
外壁塗装 |
704,700 |
屋根塗装なし(陸屋根のため塗装なし・別途防水工事でお見積り) | 0 |
コーキング工事 | 643,000 |
付帯塗装 | 83,600 |
合計 | 1,826,650 |
旭化成ヘーベルハウス施工の住宅に外壁塗装を実施した事例です。
外壁材がALCの場合、初回の塗装工事はコーキング増し打ちですが2回目の塗装工事はコーキング撤去打ち替え工法を行います。
今回のご依頼は2回目の外壁塗装でしたので、ALCの目地とサッシ・軒天廻りなどをすべて撤去打ち替え工法で実施しています。
ALCの外壁は目地のm数が多く、加えてコーキング工事の中でも工事単価が高い撤去打ち替え工法を実施したためコーキング工事の費用が高額になっています。
相場135~155万円より高額な要因は以下のとおりです。
・コーキング工事のm数が多く工事内容も撤去打ち替え工法のため通常より高額
無機フッ素塗料での塗装をご希望されたので、外壁の塗装単価はお見積りプランの中でも高額になっています。
一般住宅と比べるとハウスメーカー施工の住宅は付帯部の塗装面積が多く、目地のm数も多い傾向です。
そのためコーキング工事と付帯塗装の金額が高額になっています。
▼外壁塗装の詳しい事例の内容▼
堺市堺区にて2回目の塗装工事(築33年のヘーベルハウス施工)
3-4.総額約205万円|築27年の約50坪2階建て積水ハウスの住宅(窯業系サイディング・セメント瓦)
工事内容 | 価格 |
共通工事(足場・高圧洗浄) | 369,750 |
外壁塗装 |
1,017,900 |
屋根塗装なし(別途屋根葺き替え工事でお見積り) | 0 |
コーキング工事 | 506,700 |
付帯塗装 | 164,400 |
合計 | 2,058,750 |
積水ハウスの住宅に外壁塗装を実施した事例です。
ドローンで屋根の状態を拝見したところ複数の割れが見られたため、築27年という年数的にもセメント瓦の寿命の頃合いです。
本来セメント瓦は屋根塗装でのメンテナンスが可能ですが、割れが顕著なため念のため屋根葺き替え工事のお見積もりもいたしました。
相場135~155万円より高額な要因は以下のとおりです。
・無機フッ素塗料を使用したため塗装料金が相場より高額
・住宅の規模が大きいのでコーキングのm数も多い
▼外壁塗装の詳しい事例の内容▼
岸和田市にて築27年の積水ハウスのはじめての外壁塗装
3-5.総額約282万円|築20年の約50坪3階建て積水ハウスの住宅(窯業系サイディング・スレート瓦)
工事内容 | 価格 |
共通工事(足場・高圧洗浄) | 439,500 |
外壁塗装 |
1,301,800 |
屋根塗装なし(別途屋根カバー工法でお見積り) | 0 |
コーキング工事 | 752,400 |
付帯塗装 | 262,800 |
その他工事 | 65,875 |
合計 | 2,058,750 |
積水ハウスの住宅に外壁塗装を実施した事例です。
積水ハウス(ジオ・トリステージII)にお住まいのお客様より塗装工事のお見積もりのご相談をいただきました。
外壁にはSC25セラミックウォール(ツインボーダー)、屋根にはグリシェイドNEOが使用されています。
このグリシェイドNEOはひび割れや反りなどが起きて耐久性に問題があるため、塗装をしても屋根材が長持ちしてくれません。
そのため金属屋根のスーパーガルテクト(アイジー工業)を使用した屋根カバー工法をご提案いたしました。
相場135~155万円より高額な要因は以下のとおりです。
・無機フッ素塗料を使用したため塗装料金が相場より高額
・コーキング工事をオートンイクシード使用のため高額
▼外壁塗装の詳しい事例の内容▼
豊中市で積水ハウスの外壁塗装(無機フッ素塗料使用の4回塗り)
4.【重要】あくまで相場は目安!変動する可能性は高い
50坪の相場は135~155万円と算出しましたが、事例によって大幅に金額は変動します。
実際に弊社で実施した50坪の外壁塗装の事例では最低120万円、最高180万円近いケースもあります。
同じ50坪の外壁塗装でも非常に大きな金額差があるのです。
そもそも外壁塗装は「〇坪だから相場は〇円」とは表しにくい工事です。
明確な金額を知るには、かなり詳細に家の状態を確認する必要があるからです。
特に50坪の住宅はハウスメーカーがほとんどであるため、相場よりも高額になる傾向があります。
ハウスメーカーの住宅は、特殊な仕様や構造的な特徴を持つことが多いため、他の戸建て住宅に比べると高額になるケースが多くなるのです。
以上の点から、135~155万円という相場はあくまで参考程度とご認識ください。
外壁塗装はどの項目にどのくらい金額がかかるのかを理解し、見積書が妥当な金額か判断することが重要です。
▼相場の変動要因についてより詳しく知りたい方はこちらをご覧ください▼
外壁塗装の費用相場は90~120万円!弊社600件の事例データを基に算出
5.まとめ
外壁塗装は「〇坪だから〇万円が相場」とは表しにくい工事です。
たしかに塗料によって金額は変わりますが、㎡あたり数百円の差なので住宅一軒分につき数万円程度の差なのです。
見積りを出すためには、かなり詳細に建物の状態を熟知する必要があります。
実際の建物を拝見していない段階での相場はあくまでも目安とご理解いただければと思います。
いくら相場では表しにくいといっても50坪という豪邸レベルの規模で100万円前後の塗装費用は安すぎて不安になると思います。
当ページでお伝えした「50坪の相場135~155万円で見積りを出してくれたらこの業者が安心」というわけではなく、業者側が金額の何割を実際の工事に当てるかが最も大切な点だと思います。
複数の業者が135~155万円の相場の範囲内で見積りを出してきたとしても、業者によって工事内容には差が出てくるでしょう。
だからこそ見積書の見方や内訳、工事内容をしっかりと押さえる必要があるのです。
金額を決める要素さえ押さえていれば、金額に惑わされることなく的確な業者選びができると言って良いでしょう。
「我が家の塗装費用が気になる」
「外壁塗装の金額だけ知りたい」
といったお悩みをお持ちの方は、ご相談だけでも大歓迎です。
こちらのページに関すること以外でも、お気軽にご相談いただけると幸いです。