外壁塗装の足場が必須な３つの理由と費用相場を解説

外壁や屋根の塗装をする時、足場の仮設は必要不可欠です。

しかもこの足場、外壁塗装費用のうちの約2割を占め塗装工事を安全に・確実に仕上げるためには超重要といっても過言ではありません。

ですので足場を無料にしたりコストを削減しようとすると大変危険なんです…！（足場無料をうたっている業者がありますが騙されてはいけません！）

外壁塗装に足場が必要な理由は3つ
1.安全のため
2.品質向上のため
3.近隣への配慮のため

足場仮設の費用相場
700～1000円/㎡（30坪のお宅で20万円前後）

こちらの記事では足場にかかる費用の相場や、弊社によく寄せられる足場についての質問、足場に関するトラブルなどについてお話をしていきたいと思います。

外壁塗装に足場が必要な理由は3つ

外壁塗装には足場が必ず必要になります。その理由を3つにわけてお話していきたいと思います。

1-1.安全のため

外壁塗装は基本的に高所での作業になります。労働安全衛生法では2ｍを超える高所での作業は足場の組み立てなど安全対策が義務付けられています。

また、足場は職人にとってはシートベルトや命綱のような役割を担います。安全にスムーズに工事を終えるためには足場は必要不可欠なのです。

1-2.品質向上のため

足場を組むことで職人が動きやすく作業効率にも影響します。もし足場がない状態で外壁塗装をしてしまいますと無理な体制で作業を続けることになり品質も悪化することでしょう。（塗りムラや塗り残し、塗膜の膨らみなど）

こうしたことを防ぎ工事の品質を保つためにも足場は必要不可欠なのです。

1-3.近隣への配慮のため

足場を組むと、その上から飛散防止ネットを設置します。この飛散防止ネットは塗料の飛び散りや高圧洗浄の水しぶき飛散を防止する役割があります。

ご近隣への配慮や施主様の大切な車などを汚さないためにも足場や飛散防止ネットは必要なのです。

足場の仮設にかかる費用

足場には外壁塗装費用の約2割がかかることがわかりました。では詳しい相場はどのくらいなのかお話していきたいと思います。

2-1.足場費用の相場は700～1000円/㎡程度（30坪のお宅で20万円前後）

足場費用の相場は700～1000円/㎡程度です。一般的な30坪のお宅に換算すると20万円前後です。

どのように計算していくのかと申しますと…

まずは足場仮設面積を計算します。足場仮設面積は塗装面積と異なり外壁から少し間隔をあけて足場を設置するため建物の外周にプラス4.8ｍして計算していきます。

足場仮設面積＝（建物の外周＋4.8ｍ）×家の高さ

この足場仮設面積をもとに足場費用を計算していきます。

足場費用＝足場仮設面積×（※足場設置費/㎡＋※飛散防止ネット費/㎡）

※足場設置費…700～1000円/㎡
※飛散防止ネット費…100～200円/㎡

例：2階建ての外周20ｍのお住まいの場合
(外周20m＋4.8m) × 家の高さ7m ＝174
174×（1000円/㎡＋200円/㎡）＝208800
足場費用は20万8800円

※1階建て=4m、2階建て＝7m、3階建て＝9m・足場仮設費1000円・飛散防止ネット費200円を基に計算。

2-2.相場よりも安すぎる場合は要注意！

これらの相場よりも足場代が安く提示される場合もあるかと思います。もちろん安ければ安いほど嬉しい気持ちはとってもよくわかりますが、あまりにも安い場合は注意が必要です。

相場よりも安すぎるということは、現場を1日に何本も詰めて過密なスケジュールになっている場合もありますし、適切な作業人数が確保されていない場合もあります。

なぜこんなにも安くなるのか、詳しく内訳を確認するようにしましょう。

また、反対に相場よりも足場代が高くなるケースもあります。
・マンションやビルなど
・掘り込み式車庫のお宅（高さが必要になるため）

2-3.外壁塗装と屋根塗装を同時にした方が足場費用を節約できるのでおすすめ

外壁塗装を行うにあたり足場の仮設は必ず必要です。ですがこの足場代は約20万円以上かかり外壁塗装のみに足場仮設を行うともったいないことがあります。

例えば、外壁塗装と屋根塗装をわけて施工した場合、2度足場仮設が必要になり費用も2度かかります。ですが、必要な工事をまとめて行うことで足場仮設費用が1度で済むため節約することができるのです！

屋根塗装以外にも

・コーキング工事
・雨樋交換
・軒天の張替え
・破風・軒天などの補修や交換
・ベランダや屋上の防水工事
・棟板板金工事
・屋根の漆喰補修
・屋根葺き替え、葺き直し
・屋根カバー工法
・その他高所作業

など2ｍ以上の高さで行う工事にも足場の仮設は必要ですので、必要な工事はまとめて一度にされた方が断然お得です！

参考記事：足場仮設をするなら外壁塗装以外にも活用してみませんか？

悪徳業者に注意！足場代が無料になることはありません！

よく「今契約すると足場代が無料になりますよ！」と言われたんですが本当ですか？と聞かれることがあります。結論から申し上げますと足場代が無料になることはありません！

足場費用は塗装工事費の2割を占めます。また、設置に1日・解体に1日、ここにかける作業力と人件費を考慮しても無料で足場を提供することは困難です。

また、塗装業者の中には別注で足場専門業者に足場の組立を依頼することもありその分費用もかかります。

「足場代が無料」とうたう業者であったとしても別費用をこっそり上乗せしている場合もありますから安易な言葉に騙されないようにしましょう。

足場の仮設や撤去は半日～1日程度

足場作業には足場材の搬入・運搬・組立・飛散防止ネットの設置・撤去まで様々な工程があります。

仮設や撤去両作業自体は、半日～1日あれば完了します。必要な職人の数は最低3人～です。

※作業中に悪天候になった場合は工期の延期が考えられます。

作業自体は半日～1日程度で完了しますが、外壁塗装中（10～14日程度）はずっと足場は仮設したままです。

外壁塗装の足場についてよくある質問8選

ここからは外壁塗装の足場についてよく頂く質問を1つずつお答えしていきたいと思います。

5-1.足場の仮設や撤去の時、騒音が心配…

足場の設置や解体の際は「カンカンッ」と大きな音が響きます。金属を叩く音を想像して頂ければと思います。

ですが、設置や解体自体は半日～1日で完了しますので、騒音が苦手な方はあらかじめスケジュールを調整して頂き外出をされてもかまいません。その際、職人や担当者に一声掛けて頂けると助かります。

5-2.足場仮設中の過ごし方は？

足場仮設中の過ごし方として一番多くご質問を頂くのが「窓って開けれるの？」です。

基本的に足場仮設中は窓を開けることはできません。足場自体が窓を開けることを防いでいるのではなく、「高圧洗浄機の水しぶきが室内に入らないように」や「塗装中のシンナー臭が部屋に充満しないように」するためです。

ですが、洗浄の際の水しぶきや塗料を乾燥させるための乾燥時間には窓を開けることが可能ですのでどうしても窓を開けられたい方は職人に相談してみましょう。

▼その他の足場仮設中の過ごし方Q＆A
Q.洗濯は干せますか？
A.室内干しをおすすめします。作業中の汚れや塗料の臭い移りが懸念されるためです。

Q.エアコンは使えますか？
A.はい、使えます。足場を組み立てる時に室外機の場所を考慮して立てていきますのでご安心ください。

Q.室内は暗くなりますか？
A.はい、飛散防止ネットの影響で暗くなります。ですが完全に真っ暗になるといったわけではないのでご安心ください。

Q.外出はできますか？
はい、外出して頂いても構いません。先程もお話をさせて頂きましたが、騒音や匂いに敏感な方は積極的に外出をされる方も多くいらっしゃいます。その際、戸締りだけしっかりとして職人に一声かけて頂けたら助かります。

5-3.隣の家との距離が近いけど足場は建てれるの？

隣家と距離が近くても40㎝の距離があれば足場の仮設は可能です。

もし40㎝距離がない場合は、お隣様の敷地内に越境させていただくことがあります。もちろんお隣様の許可がないと出来ませんが、民法第259条にはこのような場合は敷地の貸し出しを請求できると定められております。

その他にも狭小地用足場といった狭い現場に特化した足場もございますのでご安心ください。

5-4.足場の仮設や撤去の時、車などは移動したほうがいい？

必要に応じてお車の移動をお願いしております。細心の注意を払って足場の組立や撤去を行っておりますが大切なお車を万が一傷つけてしまったなどありましたら大変です。

そうした万が一を避けるためにも一時的に車を移動できるスペースや駐車場の確保をして頂ければ幸いです。

5-5.足場仮設の時にカーポートを撤去しないといけないと言われたけど本当？

足場仮設の際、カーポートを撤去しないといけない場合があります。

お住まいとカーポートに一定の距離があれば撤去せずにそのまま仮設することができますがカーポートとお住まいの距離が近い場合撤去が必要です。

こちらのお写真のように組立が必要な箇所のみ撤去を行うこともあります。もちろん工事完了後はパネルを傷つけないよう細心の注意を払いながら再度組立を行います。

ですが20年以上経過したカーポートは紫外線など経年劣化の影響で、少しの刺激でもバリバリと割れが生じてしまうことがあります。（ベランダに放置した洗濯ばさみがばりばり割れてしまったことはありませんか？同じ現象と思って頂けばわかりやすいかと思います。）

そうした場合、無理に設置してしまいますと破損の原因になりますので新しいパネルに交換されることをおすすめしております。

関連記事：外壁塗装工事、カーポート屋根撤去する場合があるのはどうして？

5-6.雨の時でも足場仮設や撤去はできるの？

通常の雨の場合、足場の仮設や撤去は可能です。

ですが職人の安全確保のため労働安全基準法に定められている強風・大雨・大雪・台風などの悪天候の際は作業を中止します。

職人の安全と品質向上のためにもご了承いただければ幸いです。

5-7.足場仮設中の泥棒が心配。対策を教えて！

足場仮設中は簡単に2階にも登ることが可能ですので、いつも以上の防犯対策が必要になります。

・1階、2階共に全ての窓をしっかり施錠する
・カーテンもしっかりと閉める
・センサーやカメラなど防犯機器を設置する
・職人や関係者以外立ち入り禁止にする
・職人や関係者をむやみに室内にいれない
・防犯意識が低い家だと悟らせない（郵便受けに郵便物をためないなど）

これらのことを意識してしっかり防犯対策を行いましょう！

ちなみに…こうしたお話を聞くと、泥棒が怖いから外壁塗装をするのをやめようかなあと思われる方もいらっしゃるかと思います。ですが外壁塗装をしない方が泥棒に狙われることもあります。

外壁がボロボロだと防犯意識が低い家だと判断されかねないからです。

足場に関するよくあるトラブル

最後に足場に関するよくあるトラブルについてお話していきたいと思います。

6-1.破損トラブル

足場の組立や撤去の際に、外壁を始め窓や車・隣家などを傷つけてしまうことがあります。このようなトラブルが起きた時に誰がどのような補償をしてくれるのかが大切になります。

業者によっては足場の組立や撤去は下請けである足場業者に依頼していることがあります。そうした場合、元請けの塗装業者が責任をとるのか足場業者が責任をとるのか責任の所在が不明になるケースがあります。

このような事態を防ぐためにも「足場業者が保険に加入しているのかどうか」、こうなった場合は「どのように誰が対処してくれるのか」あらかじめ確認しておくようにしましょう。その際保険の対象範囲までしっかりと確認をしておくと尚安心です。

6-2.隣人トラブル

騒音などによってご近隣の方へご迷惑がかかることがあります。

ほとんどの業者ではあらかじめ粗品を持ってご挨拶に伺いますが、業者のみに任せずご自身でもあらかじめご挨拶とお詫びに参られることをおすすめします。

また、先程も少しお話をさせて頂きましたが隣家との距離が近すぎる場合は敷地をお借りして足場の仮設をするケースもあります。そうした場合は業者にも同行を依頼し専門的な視点からも説明できるようにしておくとスムーズです。

まちがっても「隣の人に黙って勝手に組んでしまっても問題ありませんよ！」といった業者とは契約しないようにしましょう。

6-3.瑕疵保険や保証範囲を確認しておこう

5-1.破損トラブルの項目でも少しお話させて頂きましたが、足場業者や塗装業者が瑕疵保険に加入しているかどうか必ず確認しておきましょう。

瑕疵保険に加入している場合は、保証の範囲が工事箇所（外壁や屋根）だけでなく工事箇所以外（庭や駐車場など）にも対応しているかどうか、工事関係者以外の人にも対応しているかどうかも併せて確認しましょう。

▼瑕疵保険とは
検査と保証がセットになっている保険のこと。工事完了後に不良やトラブルがあった場合や、施工会社が倒産してしまった場合に保証をしてくれる保険です。

施工中と施工完了後に国土交通大臣指定の住宅瑕疵担保責任保険法人より派遣された建築士が欠陥がないかを検査します。

関連記事：【外壁塗装の保証】保証内容や保証期間に注意し安心して外壁塗装工事をしよう

まとめ

いかがでしたでしょうか？足場の仮設は「安全のため」「品質向上のため」「近隣への配慮のため」必要不可欠であることがわかりました。

また、足場代が無料になることはありえませんので騙されないようにしましょう！

足場費用の相場…700～1,000円/㎡程度（30坪のお宅で20万円前後）

また、足場の仮設は外壁塗装以外にも活用した方が断然お得です！

最後までお読みいただきありがとうございました。