
一条工務店の10年点検を迎えるオーナー様の中には、「点検では何をするのか」「提案された工事は全部やらないといけないのか」と、不安を感じている方がいらっしゃるかもしれません。
一条工務店の10年点検は、今後の住まいの維持費や保証に大きく関わる重要な機会です。点検自体は無料で実施されるうえ、シロアリ予防工事も無償で受けられるなど、費用の負担が少ないように感じるかもしれません。
しかし実際には、点検後に有償メンテナンスを提案されるケースもあり、「どこまで対応すべきか」「断っても問題ないのか」と判断に迷う方が多いのが現実です。さらに、提案された補修の内容によっては、メンテナンスを実施しないと保証延長できない可能性もあるため、正しく理解しておくことが重要です。
この記事では、点検内容・実際に指摘されやすい劣化箇所・保証との関係に加え、提案を受けたときの判断基準まで、一条工務店の10年点検前に知っておくべき情報をまとめて解説します。
- 一条工務店の10年点検とは?
- 一条工務店の10年点検の内容
- 一条工務店の10年点検で実際に指摘されやすい箇所
- 保証延長に必要なメンテナンスと任意メンテナンスの違い
- 一条工務店の10年点検に関するQ&A
▼一条工務店の外壁塗装についてはこちらの記事で解説しております▼
一条工務店の外壁塗装は高額?依頼すべき業者と注意ポイントを解説
榎本悟
一級塗装技能士・外装劣化診断士
1998年に「南大阪ペイントセンター」を創業し、住宅塗装の専門家として20年以上の経験を持つ。外壁診断や雨漏り診断の豊富な知識を活かし、耐久性と美観を両立させた高品質な施工を提供。さらに、窯業サイディング塗替診断士や雨漏り診断アドバイザーの資格も取得し、住宅の外装全般に関する幅広いアドバイスを行っている。
橋本卓哉
石綿作業主任者・建築物石綿含有建材調査者
学生時代に塗装業に携わり、大学卒業まで職人として経験を積む。卒業後は外装リフォームの営業・現場管理に従事し、これまでに1,000棟以上の施工を担当。豊富な知識と現場経験を活かして外装診断・施工に取り組んでいる。
詳しいプロフィールを見る1.一条工務店の10年点検とは?
1-1.点検は無料で実施される
1-2.点検時間は1~2時間程度
1-3.シロアリ予防工事は無償で実施される
1-4.防水のメンテナンス工事は条件次第で無償で実施される
1-5.点検の結果によって有償メンテナンスの提案を受ける場合もある
2.一条工務店の10年点検の内容
2-1.基礎・構造のチェック
2-2.屋根・バルコニーなどの防水部分のチェック
2-3.外壁とコーキングのチェック
2-4.設備のチェック
2-5.建具・内装のチェック
3.一条工務店の10年点検で実際に指摘されやすい箇所
3-1.経年劣化によって指摘される主な箇所
3-2.耐用年数によって案内される提案
4.保証延長に必要なメンテナンスと任意メンテナンスの違い
4-1.保証延長の条件になっているメンテナンス
4-2.断っても保証に影響しない任意提案のメンテナンス
5.一条工務店の10年点検に関するQ&A
5-1.10年点検の連絡はいつ・どのように来る?
5-2.10年点検を受けなかった場合はどうなる?
5-3.10年点検を他の業者に頼むことは可能?
5-4.10年点検当日に準備しておくべきことは?
6.まとめ
一条工務店の10年点検とは?
一条工務店の10年点検は無料で実施され、シロアリ予防工事も無償で受けられるなど、手厚い対応が特徴とされています。
ただし、防水補修など一部の補修については、すべてが無償になるわけではなく、保証対象となる不具合と判断された場合に限られます。そのため、どこまでが無償補修なの事前に理解しておく必要があります。
この章では、10年点検の概要について解説します。
点検は無料で実施される

一条工務店の10年点検は、基本的に無料で実施されます。長く安心して住み続けられるよう、保証期間内に建物の状態を確認することを目的とした定期点検です。
ただし、無料なのは点検のみです。点検の結果、経年劣化によるメンテナンスが必要と判断された場合の補修やメンテナンス工事は、別途費用がかかるのが一般的です。
それでも、普段は目の届かない基礎や屋根まわりなどを専門スタッフが確認してくれる貴重な機会です。劣化箇所を早期に把握できるという意味でも、しっかり活用することをおすすめします。
点検時間は1~2時間程度

一条工務店の10年点検の所要時間は1~2時間程度が目安です。
公式サイトでは所要時間の明確な数値は公表されていませんが、実際のオーナー様の体験談では「1〜2時間程度で終了した」という報告が多く見られます。
建物全体を対象とした目視・確認中心の点検であり、外装・防水・構造・設備など複数項目を順にチェックしていきます。点検は住宅の状態によって時間が前後し、指摘事項が多い場合や追加説明が必要な場合は、さらに時間がかかることもあります。
実際のオーナー様の体験談では、1~2時間の報告が多い一方、場合によっては半日かかるとの事例もあるため、余裕を持ったスケジュールを確保しておくと安心です。
シロアリ予防工事は無償で実施される

一条工務店の10年点検では、シロアリ予防工事が無償で提供されています。他のハウスメーカーでは有料となるケースが多く、長期アフターサポートの中でも特徴的な仕組みの一つです。
これは単なるサービスではなく、住宅の長期性能と保証制度を維持するための定期メンテナンスとして位置づけられています。シロアリ被害を放置すると、柱や土台が内側から食い荒らされ、気づいたときには大規模な修繕が必要になるケースがあります。そうした事態を未然に防ぐために、定期的な予防処理がメンテナンス計画に組み込まれています。
つまり、この無償工事はオーナー様にとっても予期せぬ高額補修を防ぐ仕組みであり、一条工務店の長期保証を支える重要なメンテナンスの一つといえます。
防水のメンテナンス工事は条件次第で無償で実施される
一条工務店の10年点検では、防水のメンテナンス工事は条件次第で無償で実施される場合があります。
10年点検では、屋根・バルコニー・外壁などの防水部分についても確認が行われます。ただし、防水工事が無条件で無償になるわけではなく、保証の対象となる不具合と判断された場合に限り無償補修が適用されます。
具体的には、施工不良や本来必要な強度が備わっていない場合には無償対応となる可能性があります。一方で、経年劣化や通常使用による防水性能の低下は、多くの場合で有償メンテナンスの対象となります。
防水メンテナンス工事の無償・有償の違いがこちらです。
- 無償対応=施工不良・保証範囲内の不具合
- 有償対応=経年劣化・通常消耗
そのため、10年点検で防水工事の提案を受けた場合は、有償・無償のどちらに該当するのかを確認し、工事の必要性を見極めて施工を検討する必要があります。
点検の結果によって有償メンテナンスの提案を受ける場合もある
一条工務店の10年点検では、建物全体を確認したうえで、経年劣化の進行状況に応じて有償メンテナンス工事の提案を受ける場合もあります。
特に10年点検では、外装や防水部分、設備機器などに劣化が現れやすく、メンテナンスの必要性が指摘されやすい傾向があります。
以下は、10年点検で実際に提案されやすい主な項目です。
▼10年点検で提案されやすい項目▼
| 点検箇所 | 主な劣化症状 | 提案されやすいメンテナンス |
| 外壁 | 色あせ、チョーキング、塗膜劣化 | 外壁塗装 |
| 目地コーキング | ひび割れ、硬化、隙間 | コーキング工事 |
| 屋根 | 色あせ、瓦のズレ、防水性能低下 | 屋根塗装・補修 |
| 屋上・バルコニー防水 | 防水層劣化 | 防水工事 |
| 設備機器 | 経年劣化、性能低下 | 交換・修理 |
これらの提案は、必ずしもすぐに対応が必要なものばかりではありません。今後のメンテナンスを計画するうえで、早めに対応すべきものと将来的に施工すべきものがあります。
そのため、劣化の進行状況や優先度に応じて、必要性や時期を見極めながら判断していくことが重要です。
なお、提案された工事の中には保証延長の条件となるものも含まれるため、どの工事が保証に関わるのかを事前に確認しておくことをおすすめします。この点については4章「保証延長に必要なメンテナンスと任意メンテナンスの違い」で詳しく解説します。
一条工務店の10年点検の内容
一条工務店の10年点検は、住宅の性能維持と保証判断のために実施される定期点検で、主に建物全体の劣化状況を目視で確認する内容となっています。
点検項目は大きく分けて以下の5つに整理できます。
- 基礎・構造のチェック
- 屋根・バルコニーなどの防水部分のチェック
- 外壁とコーキングのチェック
- 設備のチェック
- 建具・内装のチェック
以上の内容について詳しく解説します。
基礎・構造のチェック
一条工務店の10年点検では、住宅の安全性を左右する基礎・構造部分について重点的な確認が行われます。これは建物の耐久性に直結するため、最も重要な点検項目の一つです。
点検は主に目視と床下確認によって行われ、構造体の劣化や異常がないかを総合的に判断します。
▼主な点検内容▼
| 点検箇所 | 確認内容 |
| 基礎コンクリート | ひび割れ・欠損・浮き |
| 基礎全体 | 建物の傾き・不同沈下 |
| 柱・土台(床下) | 腐食・劣化・シロアリの痕跡 |
| 床下の湿気状態 | カビ・結露・湿気 |
| 配管周辺 | 水漏れ・結露・破損 |
基礎・構造のチェックは、見た目の劣化を確認するというよりも、建物全体の安全性に直結する異常がないかを確認する工程です。特に床下や基礎部分は普段目にすることができないため、劣化の進行に気づきにくい箇所でもあります。
そのため、ひび割れや沈下・木部の腐食など「建物の強度に関わる異常」を早期に把握することが、この点検の重要な役割となります。
このように基礎・構造のチェックは、住宅の見た目ではなく、安全性そのものを確認するために重要な点検になります。
屋根・バルコニーなどの防水部分のチェック
一条工務店の10年点検における防水部分のチェックは、屋根やバルコニーなど雨水が直接影響する箇所を中心に、劣化や不具合がないかを確認する重要な項目です。
防水性能は住宅の寿命に直結するため、雨水が侵入していないかという点を入念に点検されます。
▼主な点検内容▼
| 点検箇所 | 確認内容 |
| 屋根材(瓦・屋根パネル) | 割れ・ズレ・浮き・破損 |
| 屋根全体 | 雨漏り跡・シミ・劣化 |
| バルコニー床面 | 防水層のひび割れ・剥がれ |
| バルコニー排水部 | 詰まり・排水不良 |
| 外壁取り合い部 | 雨水侵入の形跡・劣化 |
屋根やバルコニーの防水部分は、普段の生活では状態を確認しにくく、劣化が進行していても気づきにくい箇所です。そのため、表面のひび割れや破損だけでなく、雨漏りの兆候や防水層の状態など、建物内部への雨水の侵入リスクを重点的に確認します。
特にバルコニーは排水不良や防水層の劣化が起こると、下階への漏水につながる可能性があるため、屋根と同様に重要なチェックポイントになります。
このように防水部分のチェックは、見た目の劣化確認だけでなく、雨漏りや内部劣化といった住宅性能の低下を未然に防ぐための重要な工程です。10年という節目で防水性能を総合的に確認することで、今後の住まいの安全性を確保する役割を担っています。
外壁とコーキングのチェック
一条工務店の10年点検における外壁とコーキングのチェックは、外壁材そのものの状態と、外壁の継ぎ目のコーキング材の劣化状況を確認する重要な工程です。
外壁やコーキングは雨水の侵入を防ぐ役割があるため、劣化がないかを定期的に確認することが重要になります。
▼主な点検内容▼
| 点検箇所 | 確認内容 |
| 外壁材 | ひび割れ・欠け・浮き |
| 外壁表面 | 汚れ・チョーキングなどの塗膜劣化 |
| 目地コーキング | ひび割れ・剥がれ・硬化 |
| 窓・ドアまわり | コーキングの劣化・隙間 |
| 外壁の継ぎ目 | 雨水侵入の可能性 |
外壁とコーキングは、外からの雨水が建物内部に入らないようにするための部分です。特にコーキングは紫外線や温度変化の影響を受けやすく、時間の経過とともにひび割れや硬化が進行しやすい特徴があります。
コーキングは一般的に10年頃から劣化が始まるため、10年点検のタイミングは状態を確認するうえで適切な時期といえます。点検で劣化が確認された場合は、雨水侵入のリスクを防ぐためにも、早めに対応を検討することをおすすめします。
設備のチェック
一条工務店の10年点検での設備チェックは、住宅内の水回り設備や換気設備などが正常に作動しているか、また劣化や不具合がないかを確認する工程です。
設備は日常的に使用するため不具合に気づきやすい一方、内部で進行する劣化は見逃されやすいため、定期的な点検が行われます。
▼主な点検内容▼
| 点検箇所 | 確認内容 |
| 給水・給湯配管 | 水漏れ・圧力低下・接続部の異常 |
| 排水設備 | 詰まり・逆流・排水不良 |
| キッチン | 水栓の不具合・シンク下の漏水 |
| 浴室 | シャワー・排水・換気の動作確認 |
| トイレ | 水漏れ・流れ不良・部品劣化 |
| 換気設備 | 動作不良・吸排気の状態 |
設備のチェックでは、普段の生活で使用する水回りや換気設備を中心に、正常に動作しているかを確認します。特に配管まわりの水漏れや排水の異常は、床下や壁内部の劣化につながる可能性があるため、早期発見が重要です。
設備の多くは10年程で部品の劣化や交換時期を迎えるものがあります。点検で不具合が見つかった場合は放置せず、早めに対応することで、水漏れによる床材の腐食や、換気不良によるカビの発生を未然に防ぐことができます。
建具・内装のチェック
一条工務店の10年点検の建具・内装チェックは、室内のドアや窓、壁・床などの仕上げ部分について、使用による劣化や不具合がないかを確認する工程です。
日常生活で使用される建具や内装は、経年によるズレや傷みが発生しやすい部分です。
▼主な点検内容▼
| 点検箇所 | 確認内容 |
| 室内ドア | 開閉不良・建付けのズレ・歪み |
| 窓サッシ | 開閉の重さ・隙間・気密性 |
| 床材 | きしみ・浮き・傷・沈み |
| クロス | 剥がれ・浮き・ひび割れ |
| 巾木・内装仕上げ | 剥がれ・隙間・浮き |
建具・内装のチェックでは、生活の中で発生しやすい不具合を中心に確認します。特にドアや窓の建付けのズレは、建物のわずかな歪みや経年変化によって起こることがあり、日常の使い勝手に影響します。
建具・内装の不具合は、住みはじめた頃と比べて少しずつ変化するため、気づかないまま放置されているケースも少なくありません。10年点検の機会に室内全体の状態を改めて確認し、気になる箇所があれば担当者に相談しておくと安心です。
一条工務店の10年点検で実際に指摘されやすい箇所
一条工務店の10年点検では、劣化の有無を確認するだけでなく、具体的なメンテナンスの指摘を受ける場合があります。どの部分をメンテナンスするべきか、いつ頃対応が必要になるのかまで案内されるため、今後の維持管理を計画するうえで重要な機会となります。
実際の指摘内容は、大きく次の2つに分かれます。
- 経年劣化による指摘
- 耐用年数によって案内される提案
10年というタイミングでは、「まだ使えるのか」「すぐ補修すべきか」で迷うケースも多いため、それが劣化による指摘なのか、もともとの耐用年数によるメンテナンスなのかを分けて考えることが重要です。
ここでは、一条工務店の10年点検で実際に指摘されやすい内容について、2つのパターンに分けて解説します。
経年劣化によって指摘される主な箇所
一条工務店の10年点検では、コーキングや防水など消耗しやすい部材を中心に、経年劣化による指摘を受けることが多くあります。
以下は、10年点検で経年劣化として指摘されやすい主な箇所です。
▼経年劣化による指摘箇所▼
| 箇所 | 10年点検で実際に指摘されやすい内容 |
| 目地コーキング | ひび割れ・硬化などの劣化が見られ、補修を案内されることがある |
| バルコニー防水 | 表面の劣化が見られ、再施工の提案を受けることがある |
| 給排水まわり | パッキン劣化や軽微な水漏れの可能性 |
| 換気設備 | 動作低下・汚れの蓄積 |
10年点検で指摘される内容の多くは、今すぐ不具合が起きているわけではなく、劣化が始まっている段階での提案です。特にコーキングや防水は劣化が表れやすいため、補修を案内されやすい項目となります。屋根や構造部分は、現時点では大きな劣化が見られないとして、経過観察と判断されるケースも多くあります。
このように経年劣化による指摘は、緊急性の高いものばかりではなく、今後のメンテナンスを見据えた提案が多く含まれます。そのため、指摘内容の優先度を見極めながら対応を検討することが重要です。
耐用年数によって案内される提案
一条工務店の10年点検では、実際の劣化状況とは別に、耐用年数に合わせて定期的なメンテナンスの案内を受ける項目があります。
これらは不具合が出ているわけではなく、性能維持や保証条件に関係するために一定周期で実施が推奨されるものです。
以下は、耐用年数に合わせて10年点検で案内される主な箇所です。
▼耐用年数による案内箇所▼
| 箇所 | 10年点検での案内される主な内容 |
| シロアリ予防工事 | 予防効果の継続のため再施工の案内(10年点検時は無償) |
| 給湯器 | 10年が交換目安のため交換の検討を案内 |
| 換気フィルター | 有償での交換が必要(引き渡し時に10年分程度が無償提供済み) |
| 火災報知器 | 10年が交換目安のため交換の検討を案内 |
| 水回り部品 | パッキンやカートリッジなど消耗部品の交換の検討を案内 |
シロアリ予防工事は、耐用年数で工事した方がいいでしょう。なぜなら、シロアリ被害は床下で進行するため目視で気づきにくく、被害が進むと住宅の強度に影響するためです。
一方で、火災報知器は、警報異常や電池切れ表示がなければ様子を見てもいいでしょう。なぜなら、オール電化のご家庭など室内で火を使う状況にない場合は、火災につながる危険性も少ないためです。安全を重視するなら交換が望ましいですが、優先度は比較的低いでしょう。
保証延長に必要なメンテナンスと任意メンテナンスの違い
一条工務店の10年点検では、提案を受けた補修やメンテナンスのすべてを実施しないと保証が切れるわけではありません。
実際には、保証継続のために必要なメンテナンスと、実施しなくても保証に影響しない任意の提案が混在しており、この違いが分かりにくい場合があります。
特に10年というタイミングでは、防水やシロアリ予防など保証に関わる項目が出てくる一方で、設備交換や軽微な補修のような提案も多くなります。
ここでは、保証継続に必要なメンテナンスと任意提案の違いを解説します。
保証延長の条件になっているメンテナンス
一条工務店の10年点検では、点検を受けるだけでなく、点検の結果として必要と判断されたメンテナンスを実施することが、保証を継続するための条件となっています。
10年点検で補修の提案を受けた際に、保証延長の条件となる主な項目は以下の通りです。
▼保証継続に必要な主なメンテナンス▼
| 項目 | 備考 |
| シロアリ予防工事 | 10年・20年目に実施することが構造保証継続の条件 |
| 防水補修工事 | 防水保証継続の条件 |
| コーキング補修工事 | 防水保証継続の条件 |
10年点検で以上の項目を案内された場合、対応しないと該当部分の保証が対象外となる、または保証延長が受けられなくなる可能性があります。
一方で、10年点検で提案されるすべての工事が保証条件に該当するわけではありません。提案を受けた際は、それが保証条件に関わるものかどうかを確認したうえで判断することが重要です。
断っても保証に影響しない任意提案のメンテナンス
一条工務店の10年点検で提案されるメンテナンスの中には、実施しなくても保証に影響しない任意提案も多く含まれています。これらは快適な生活や設備の性能維持を目的としたものであり、必ずしも保証延長の条件にはなっていません。
任意提案に該当しやすい主な項目は以下の通りです。
▼任意提案に該当しやすい主な項目▼
| 項目 | 備考 |
| 給湯器の交換 | 耐用年数のための交換提案 |
| 建具・内装の補修 | ドアの建付け調整やクロスなどの軽微な補修提案 |
| 設備部品の交換 | パッキンやカートリッジなど消耗部品の交換提案 |
| 外壁塗装 | 美観維持や塗膜保護を目的とした提案(タイル以外の場合) |
| 将来的なメンテナンス提案 | 現時点では問題ないが将来を見据えて早めの対応を推奨される |
これらは保証延長の条件には該当しないため、必ず実施しなければならない工事ではありません。予算や住まいの状況に応じて、自分で実施時期を判断することができます。
ただし、放置することで劣化が進む箇所もあるため、担当者に緊急性を確認したうえで優先順位をつけて検討することをおすすめします。
一条工務店の10年点検に関するQ&A
一条工務店の10年点検に関するQ&Aをご紹介いたします。
10年点検の連絡はいつ・どのように来る?
A:築10年頃にハガキで届くのが一般的です
ハガキが届いたら希望日時を記入し返送すると、担当者から電話で連絡が入り、点検日程の調整が行われます。
ハガキには点検の案内内容や準備事項が記載されており、床下点検口まわりの荷物を事前に片づけておくよう案内されるケースが多いようです。
なお、連絡が来る時期は10年頃が目安ですが、地域や担当者によって多少前後する場合があります。10年が近づいたタイミングで、一条工務店のアフターサポートセンターまたはi-サポアプリから問い合わせることも可能です。
10年点検を受けなかった場合はどうなる?
A:10年点検を受けなかった場合、保証が終了する可能性があります
一条工務店の長期保証は、定期点検を受けることが継続の条件となっています。10年点検を受けなかった場合、構造や防水に関する保証が継続されず、その時点で保証が終了してしまう可能性があります。
また、長期優良住宅として認定を受けている住宅の場合は注意が必要です。長期優良住宅は定期的な点検・維持管理が義務付けられており、点検を怠った場合に認定が取り消されるケースがあります。
一条工務店の10年点検は無料で受けられ、住宅の状態を専門家に確認してもらえる貴重な機会です。案内が届いたら、できる限り受けることをおすすめします。
10年点検を他の業者に頼むことは可能?
A:可能です
他の業者に点検を依頼すること自体は問題ありません。特に一条工務店の点検で高額な補修を提案された場合は、セカンドオピニオンとして他の業者に点検や見積もりを依頼することは有効な選択肢です。
ただし、一条工務店の長期保証を継続するためには、一条工務店が実施する定期点検を受けることが条件となっています。他社の点検のみで一条工務店の点検を受けなかった場合、保証が継続されない可能性があるため、一条工務店の点検はしっかり受けたうえで、必要に応じて他社の意見も参考にしながら判断することをおすすめします。
10年点検当日に準備しておくべきことは?
A:特別な準備は必要ありません
特別な準備は必要ありませんが、以下の2点を行っておくと当日がスムーズです。
まず、普段から気になっている箇所や不具合があれば、メモにまとめておきましょう。点検当日に伝えることで、確認してもらうことができます。
また、床下点検口や分電盤まわりに荷物が置いてある場合は、事前に片づけておくと当日の点検がスムーズに進みます。
まとめ
一条工務店の10年点検は、住宅の安全性を確認するだけでなく、今後の保証継続にも関わる重要な節目です。点検自体は無料で実施され、シロアリ予防工事も無償で受けられるなど、長期アフターサポートとして手厚い内容となっています。
一方で、点検の結果によってはコーキングや防水などの有償メンテナンスを提案されるケースもあります。提案された工事はすべてが保証条件に該当するわけではなく、保証延長に必要な工事と任意提案の工事が混在しています。この違いを正しく理解し必要なメンテナンスを見極めることが、コストを削減して住宅を長期的に維持するポイントです。
10年点検の案内が届いたら、まず点検を受けたうえで提案内容が保証条件に該当するかどうかを確認することが大切です。必要なメンテナンスかどうかを見極めながら、無理のない範囲で計画的に対応することで、住まいを長く守ることにつながります。
























