外壁塗装の足場って必要?費用やよくある質問まとめました

 外壁塗装の足場は必要です!費用やよくある質問まとめ

外壁塗装に必ず必要な足場。

「塗装を依頼しただけなのにどうしてこんなに足場代が高いの?」「本当に足場って必要なの?」と疑問に思われる方も少なくありません。

しかし外壁塗装に足場は不可欠です!安全面はもちろん塗装の品質やトラブルを避けるためにも必ず必要なのです。

こちらの記事では以下の内容をわかりやすく解説していきます。足場について知りたい方はぜひご一読ください

・足場が必要な理由
・足場費用の目安
・費用を抑えるポイント
・トラブルを避けるための注意点
・よくある質問と答え

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監修者情報
監修者 榎本悟

榎本悟

一級塗装技能士・外装劣化診断士
1998年に「南大阪ペイントセンター」を創業し、住宅塗装の専門家として20年以上の経験を持つ。外壁診断や雨漏り診断の豊富な知識を活かし、耐久性と美観を両立させた高品質な施工を提供。さらに、窯業サイディング塗替診断士や雨漏り診断アドバイザーの資格も取得し、住宅の外装全般に関する幅広いアドバイスを行っている。


監修者 橋本卓哉

橋本卓哉

学生時代に塗装業に携わり、大学卒業まで職人として経験を積む。卒業後は外装リフォームの営業・現場管理に従事し、これまでに1,000棟以上の施工を担当。豊富な知識と現場経験を活かして外装診断・施工に取り組んでいる。

1.絶対必要!外壁塗装に足場が必要な理由3つ

 

足場は絶対必要 足場が必要な理由は3つ。

外壁塗装に足場は必ず設置する必要があります。その理由を3つに分けてお話していきたいと思います。

1-1.安全のため

足場の最大の目的は「職人の安全性を確保する」ためです。外壁塗装は高所での作業が多く足場がなければ転落事故などのリスクが高まります。

厚生労働省の報告書によれば、建設業における死亡事故のうち「転落」が全体の44.9%を占めており全体の事故原因の中でも最も高い割合です。

また、国土交通省も事故防止のため重点対策を毎年通知しており足場設置の実施事項等が示されています。

※労働安全衛生法では2mを超える高所での作業は足場の組み立てなど安全対策が義務付けられている。

参照:厚生労働省

外壁塗装の足場は落下からの安全を守るために必須

実際にこんな事故がありました。

兵庫県宝塚市にて作業床のない足場を使用していたため塗装作業中の職人が落下、死亡する事故が発生。この件で事業主が労働安全衛生法違反の疑いで書類送検されました。

参照:労働新聞社

1-2.近隣への配慮のため

外壁塗装の足場は近隣への配慮のため必要

外壁塗装では、飛散防止ネットを足場に設置します。この飛散防止ネットは足場があるからこそ設置をすることが可能です。(足場がないと設置できない)

外壁塗装の際には高圧洗浄機での洗浄が不可欠なのですが、飛散防止ネットを設置することで塗料や洗浄時の水分の飛散を防ぐことができ近隣への配慮ができます。

また、騒音などの近隣への影響も抑えることができます。

1-3.品質や効率性のため

足場があることで職人は無理のない安定した姿勢で作業ができ、塗りムラや塗り残しを防ぐことができます。

また、ローラーやスプレーガンなどの機材も扱いやすくなり作業効率も格段にアップします。

また、外壁塗装は塗装の工程を行う前に外壁を洗浄する必要があります。なぜかというと、しっかりと外壁を洗浄し汚れを落としてから塗装を行わないと、すぐに塗膜が剥がれ施工不良の原因になるからです。

この高圧洗浄機は足場を建て飛散防止ネットを設置しなければ行うことができません。つまり足場の設置で大きく今後の品質や耐久性が変わってくるということなのです。

2.足場の費用相場は800円/㎡~(30坪の場合約15万円~)

足場の費用相場は800円/㎡~で一般的な30坪のお宅の場合でおおよそ15万円前後が目安です。一般的に足場代は外壁塗装の工事費用全体の約2割を占めます。

足場代の算出方法

まずは足場仮設面積を計算します。足場仮設面積は塗装面積と異なり外壁から少し間隔をあけて足場を設置するため建物の外周にプラス4.8mして計算していきます。

足場仮設面積=(建物の外周+4.8m)×家の高さ

この足場仮設面積をもとに足場費用を計算していきます。

足場費用=足場仮設面積×(※足場設置費/㎡+※飛散防止ネット費/㎡)

※足場設置費…800円~/㎡, ※飛散防止ネット費…100~円/㎡

例:2階建ての外周20mのお住まいの場合

(外周20m+4.8m) × 家の高さ7m =174

174×(800円/㎡+100円/㎡)=156,600円

足場費用は15万6600円です。

※1階建て=4m、2階建て=7m、3階建て=9m・足場仮設費800円・飛散防止ネット費100円を基に計算。

3.足場代を抑える方法3つ

足場代は決して安くない費用です。そのため少しでも抑えたいと考える方も多いのではないでしょうか?

ここでは足場代を少しでも抑えるための方法を3つご紹介します。

3-1.外壁と屋根を同時に塗装する

最も現実的で効果的な節約方法は「外壁と屋根の同時塗装」です。

外壁と屋根の塗装を別々に行うとそれぞれのタイミングで足場を組み立てる必要があり、そのたびに足場代がかかってしまいます。しかし外壁と屋根を同時に塗装すれば足場代は一回分で済みます。

 外壁と屋根を同時に塗装すると足場代の節約になる

屋根塗装以外にも2m以上の高さで行う工事にも足場の仮設は必要ですので、必要な工事はまとめて一度にされた方が断然お得です!以下は例です。

2m以上の高さで行う工事にも足場の仮設は必要

 

・コーキング工事
・雨樋交換
・軒天の張替え
・破風・軒天などの補修や交換
・ベランダや屋上の防水工事
・棟板板金工事
・屋根の漆喰補修
・屋根葺き替え、葺き直し
・屋根カバー工法
・その他高所作業…など

参考記事:足場仮設をするなら外壁塗装以外にも活用してみませんか?

3-2.塗装専門業者で塗装をする

外壁塗装を依頼する際は「ハウスメーカー」や「リフォーム会社に」依頼するのではなく「塗装専門業者」に依頼することがコスト削減に繋がります。

ハウスメーカーなどは実際の施工を下請け業者に委託することが一般的でそこに中間マージンが発生します。

塗装専門業者で塗装をすると中間マージンがないので足場費用を抑えることができる

一方で塗装専門業者に直接依頼をすればこの中間マージンを抑えることができ足場代を含む費用を抑えやすくなる傾向にあります。

さらに塗装専門業者の中には自社で足場の仮設を行うことが多くその場合はさらに足場代が安く済むケースがあります。

3-3.火災保険などを活用する(※条件付き)

火災保険を活用して外壁塗装の足場を節約

条件によっては火災保険などを活用して足場代を抑えることができる場合もあります。

条件例
・台風や強風で外壁や屋根が破損した
・雨漏りの原因が経年劣化ではなく災害によるものだった

保険の適用には証拠写真や専門業者の診断書が必要な場合もあるため業者に相談されることをおすすめします。

4.足場トラブル多発!悪徳業者の見極めポイント5つ

「足場」に関するトラブルは意外と多く中には相場より極端に安い金額を提示し施工後に追加請求をしてくるような悪徳業者もそんざいします。

ここでは実際にあるトラブル事例とともに悪徳業者を見極めるためのポイントを5つご紹介したいと思います。

4-1.「足場代無料」といってくる業者

「うちは足場代が無料なので他の業者に比べるとお安く外壁塗装ができますよ」などといって契約を促す業者が存在します。

しかし実際には足場の設置には人件費や資材費、運搬費などコストがかかります。設置に1日、解体に1日、時間も労力も有します。それにもかかわらず無料とする場合

・塗装や他の施工費にこっそり上乗せされている
・質の低い足場を使用している
・あとから費用を追加される

などリスクが伴うケースがあります。無料の裏を見抜くことが大切です。

 4-2.一式見積もりで記載している業者

「足場代一式〇円」と、一式表示での見積書も要注意です。

実際の面積よりも多めに請求される場合や本来不要な工事項目まで含まれているなどのトラブルが起こるケースもあります。

先述でもお話させていただきましたとおり、足場代は足場を仮設する面積や高さによって変動します。見積もり書に「足場〇㎡×〇円」と詳細が明記されているか確認しましょう。

4-3.極端に足場代が安い業者

相場から極端に安い足場代を提案してくる業者にも注意しましょう。

古い劣化した足場を使用していたり、組立や解体の作業がずさんなケースがあります。

4-4.下請け業者の詳細を教えてくれない業者

実際に施工を行うのが下請け業者である場合、その会社の情報(社名・責任者・連絡先など)を確認しておきましょう。

もし何かトラブルが生じた場合、責任の所在が不明確になることを避けるためです。

信頼できる業者は自社施工、もしくは下請け業者の情報をしっかりと説明してくれるはずです。

4-5.契約後に追加費用を請求してくる業者

契約時に提示された料金より、あとから「実は足場が足りなかった」「高所作業が必要になった」などといった理由で追加費用を請求してくるケースもあります。

このようなトラブルを避けるためにも、契約前に「追加費用は今後発生する可能性があるのか」しっかりと確認しておきましょう。

5.外壁塗装の足場についてよくある質問10選

ここからは外壁塗装の足場についてよくある質問をQ&A形式でお答えしていきたいと思います。

Q1.足場の設置や撤去にはどのくらい時間がかかる?

足場の設置にどのくらいかかる?外壁塗装の足場についてよくある質問

足場の設置には半日~1日程度かかります。30坪のお宅であれば朝から作業を始めて昼過ぎ~夕方には完了することがほとんどです。撤去も同様です。

Q2.外壁塗装中ずっと足場があるの?音はうるさい?

はい、塗装期間中は基本的に足場はずっと設置されたままです。外壁塗装や屋根塗装は14日前後かかりますのでその間は足場が設置されています。

また、撤去や設置の際には「カンカン」といった金属を叩くような音が発生します。騒音が苦手な方はあらかじめスケジュールを調整していただき外出をされてもかまいません。その際、職人や担当者に一声掛けて頂けると助かります。

Q3.足場の設置でご近所に迷惑はかからない?

足場の設置や撤去の際は騒音が発生するためどうしてもご迷惑をお掛けしてしまいます。

塗装開始前には業者が近隣挨拶を行うのが一般的です。万が一トラブルを避けたい場合はご自身でも挨拶をしておくと安心です。

Q4.雨の日は何か影響ある?

通常の雨の場合、足場の仮設や撤去は可能です。

ですが職人の安全確保のため労働安全基準法に定められている強風・大雨・大雪・台風などの悪天候の際は作業を中止します。

Q5.足場仮設中の過ごし方は?

基本的に普段通りの生活をしていただいてかまいません。エアコンも養生の仕方によっては使用できます。

外壁塗装の足場仮設中もエアコンの使用は可能

しかし基本的に足場仮設中は窓を開けることはできません。足場自体が窓を開けることを防いでいるのではなく、「高圧洗浄機の水しぶきが室内に入らないように」するためや「塗装中のシンナー臭が部屋に充満しないように」するためです。

ですが、水しぶきや塗料を乾燥させるための乾燥時間には窓を開けることが可能ですのでどうしても窓を開けられたい方は職人に相談してみましょう。

また、洗濯物は塗料の飛散や匂いの付着を防ぐため室内干しをお願いしております。

Q6.隣の家とかなり近いけど足場は建てれる?

隣の家と40㎝あれば足場の仮設は可能

もし40㎝距離がない場合は、お隣様の敷地内に越境させていただくことがあります。

もちろんお隣様の許可がないと出来ませんが、民法第259条にはこのような場合は敷地の貸し出しを請求できると定められております。

その他にも狭小地用足場といった狭い現場に特化した足場もございますのでご安心ください。

Q7.車や自転車は移動しないといけない?

細心の注意を払って足場の組立や撤去を行っておりますが大切なお車を万が一傷つけてしまったなどトラブルがありましたら大変です。

そうした万が一を避けるためにも一時的に車を移動できるスペースや駐車場の確保をして頂ければ幸いです。

Q8.カーポートを撤去しないといけないと言われたけど本当?

外壁塗装の足場についてよくある質問.カーポートを撤去しないといけないと言われたけど本当?

カーポートの位置が足場の設置を妨げる位置にある場合、一時的に取り外す必要があります。

お住まいとカーポートに一定の距離があれば撤去せずにそのまま仮設することができますがカーポートとお住まいの距離が近い場合撤去が必要です。

外壁塗装の足場についてよくある質問.カーポートを撤去しないといけないと言われたけど本当?

こちらのお写真のように組立が必要な箇所のみ撤去を行うこともあります。もちろん工事完了後はパネルを傷つけないよう細心の注意を払いながら再度組立を行います。

ですが20年以上経過したカーポートは紫外線など経年劣化の影響で、少しの刺激でもバリバリと割れが生じてしまうことがあります。(ベランダに放置した洗濯ばさみがばりばり割れてしまったことはありませんか?同じ現象と思って頂けばわかりやすいかと思います。)

そうした場合、無理に設置してしまいますと破損の原因になりますので新しいパネルに交換されることをおすすめしております。

関連記事:外壁塗装でカーポートは邪魔になる?取り外すケースと取り外さないケース

Q9.足場仮設中の防犯対策について教えて

足場は侵入経路として利用されやすいためいつも以上の防犯対策が必要になります。

・1階、2階共に全ての窓をしっかり施錠する
・カーテンや窓をしっかりと閉める
・センサーやカメラなど防犯機器を設置する
・職人や関係者以外立ち入り禁止にする
・職人や関係者をむやみに室内にいれない
・防犯意識が低い家だと悟らせない(郵便受けに郵便物をためないなど)

これらのことを意識してしっかり防犯対策を行いましょう。

また、業者によっては防犯対策のアドバイスやサポートをしてくれる場合もありますのでご不安であれば一度ご相談されることをおすすめします。

参考記事:足場仮設中に気を付けたい!簡単にできる防犯対策6つ

Q10.トラブルの対処法を教えて

もしトラブルに巻き込まれた場合、契約から8日以内ならクーリングオフが可能です。クーリングオフとは一定期間なら理由を問わず契約を無条件で解除できる制度です。

特に悪徳業者の強引な勧誘や説明不足があった場合はクーリングオフを活用して冷静に対応しましょう。

東京都の公式HPにて実際の足場トラブルが数点掲載されていました。ぜひご参考にご覧ください。

6.まとめ

いかがでしたでしょうか。外壁塗装において足場の設置は「安全性」「作業品質」「近隣への配慮」という観点から欠かせないものです。

費用の相場は800円/㎡(30坪のお宅で約15万円前後)ですが外壁と屋根の同時塗装などでコストを抑える方法もあります。

ただし足場に関しては「無料」と謳う悪徳業者によるトラブルも少なくありません。正しい知識を持って信頼できる業者を選ぶことが重要です。

納得いく塗装工事を行うためにも「足場」の重要性とリスクをしっかり理解しておきましょう!

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監修者 榎本悟

榎本悟

一級塗装技能士・外装劣化診断士
1998年に「南大阪ペイントセンター」を創業し、住宅塗装の専門家として20年以上の経験を持つ。外壁診断や雨漏り診断の豊富な知識を活かし、耐久性と美観を両立させた高品質な施工を提供。さらに、窯業サイディング塗替診断士や雨漏り診断アドバイザーの資格も取得し、住宅の外装全般に関する幅広いアドバイスを行っている。


監修者 橋本卓哉

橋本卓哉

学生時代に塗装業に携わり、大学卒業まで職人として経験を積む。卒業後は外装リフォームの営業・現場管理に従事し、これまでに1,000棟以上の施工を担当。豊富な知識と現場経験を活かして外装診断・施工に取り組んでいる。

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